君はバイクに乗るだろう VOL.1 |

それは宇宙と地球を浴びることだ。
道にはいろんなものが降り注いだり渦巻いたりしている。
排気ガスも対向車線の水たまりを通ったクルマが跳ね上げる泥水も。
スーパーの外でやってる屋台で焼き鳥が焼けてるニオイも、あんまり客が入ってるとこ見たことないけど不思議とつぶれないラーメン屋の豚骨スープのニオイも。
派手なオバちゃんの無駄に強烈な香水の匂いも、駅からの坂道を歩きながらサラリーマンが吸ってるタバコの煙も。
ため息も笑い声も。
風も雨も。
太陽も星も。
バイクは宇宙からも地球からも逃げられない。
バイクは宇宙と地球に飛び込んで、宇宙と地球を浴びながら、宇宙と地球を切り裂き、振り切る。
切り裂いてんなー、俺。
全然切り裂けてねーなー、俺。
いいんだ、どっちでも。
切り裂く気合いが盛り上がってりゃ、いーじゃない。
乗るだけで盛り上がるなんて、バイクってスゴいぜ!
バイクに乗ってアクセル開けるだけで盛り上がれる人間もスゴいぜ!
だから乗ってる君にはこう言いたい。
君はバイクに乗ってておめでとう。
そして、「昨日街で見かけたシブい、鉄鉄してる感じの古っぽいバイク、どこ製で値段がいくらで排気量が何シーシーかも名前も分かんないけどカッコよくって、乗ってる人が着てる革ジャンやかぶってるメットがどこ製かなんてもちろん分かんないけど、目に飛び込んで来た瞬間から視界から消えてくまで全部カッコよすぎで、俺もバイクでブッ飛ばしてみたくなっちゃった」とか思ってる君にはこう言いたい。
君はバイクに乗りたくなってておめでとう。
バイクに乗ってるヤツは、バイクに乗りたいヤツを呼ぶ。
乗ってる本人は無意識だろうけど。
乗ってる本人は「バイクは最高ですよ」キャンペーンのイメージキャラクター、キャンペーンガール、親善大使等になってるつもりはまったくないだろうけど。
呼べんのかーーッ!
呼べるんだ君は。
呼ばれるんだ君は。
君はバイクに乗るだろう。
(総合司会・坂下浩康)

