新井 隆介 & kawasaki Z400(2010 0119) |
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
地元の仲間達。
マンガ『特攻の拓』、『クローズ』の武装戦線。
雑誌『ROCKERS & CAFE RACERS』
★ 2 ★
自分で修理(簡単なレベル)して、また走り出した瞬間。
★ 3 ★
真夏に上半身タンクトップにグローブ装備で遠乗りをして、気付いたらドラえもん的なコントラストのボディと化していた時。
★ ★ ★
1月アタマ。
『ROLL』が初売りセールをやると聞いて初乗りがてら向かった。
って書くとはじめにセールありきの初乗りみたいな感じに思うかもしれないが、話は12月27日。
有馬記念の馬券を買いに行こうと中原街道を走っている時にさかのぼる。
道路のセンターラインに向かって寝そべっているオバアと遭遇した。
そこは冷たいアスファルト。
きっと腰痛、神経痛等に限らずオバア丸ごとに対して良くないだろうと思って急停車し、「ンなとこで寝てんじゃねえよこのクソババア!」といった口調とは180度真逆の紳士な言葉で声をかけると、オバアは「あれ? 転んじゃった?」かなんか言っている。
意識がハッキリしてるし、向かいのクリーニング屋さんが救急車を呼んでくれたのでもう俺の出番は終わったと思い立ち上がると、オバアの後頭部付近の道路がゆっくり、じんわり、赤く染まり出して小さな血の池ができたので心配になり、救急車が来るまで待つことにした。
というか、第一発見者なので現場にいなくちゃ的である。
クリーニング屋のおばさんが着ていたカーディガンを脱ぎ、オバアにかけてあげた。優しい。
「動かさないほうがいい動かさないほうがいい!」って後ろで腕組みしがら言ってたオッサンが交通整理を始めた。ちょっとうざい。
いろんな声がする。
やがて救急車が到着したので、隊員に状況を説明してそそくさと撤収し、渋谷に向かった。
と、同時に甘えていた。
いいことをしたから、いいことがあるのではないかイコール競馬の神様が俺に微笑むのではないか、と。
競馬はまったく分からないので勘で買うしかないのだが、ひらめいたのだ。
「ブログで撮らせてもらったナイスガイと同じ名字の人が関わっている馬」ってのはどうだ!
競馬新聞の中から、後藤、蛯名、田中といった騎手から馬主、調教師まで、見覚えのある名字をすべてピックアップする。
これが結構な数なのだ。
「はははは。これはいけるぜ!」と予定を変更。有馬のみならず中山の全レースと阪神・中京のメインをターゲットにして3連単。2010年は働かなくてもいいくらいの万馬券を数本当てるつもりですべて購入した。
その結果は、単なる「急な出費」、バイク的に言うと「やってMOTOR」以外の何物でもなかった。
そんなわけで『ROLL』の入り口に置いてある1,000円のTシャツすら買えない状況に陥っていた僕がお店の外でタバコを吸っている時、天使のように現れたのがリュウスケ君だった。
その10日後くらい。
だいたいいつもはナイスガイの住む街、その最寄り駅界隈をベースに撮影場所を探すのだが、今日は直接リュウスケ君の家に向かっている。
『ROLL』で聞いたその言葉を確かめるためだ。
「家の中にバイク入れてるんですよ」
それは、ベイビーこのガレージが俺の部屋さ的なものなのか?
それは、寝る時は裸でブーツを履いたまま的なものなのか?
その現場が見たい。ショウミー。
商店街を抜け、住宅街の中へ。
お寺があって、柵の向こうで巨大な茶色のもさもさがうごめいていた。
な……!? で、でっけー犬!!
と思ったらそこは幼稚園で、巨大な茶色のもさもさはでっけー犬じゃなくてちっこい馬だった。
まぎらわしいぜと思いながらコンビニの前を通り過ぎると、向こうからCR「必殺仕事人」あるいはCR「冬のソナタ」でいえば激アツな、ゼブラ柄のパンツをはいた半分金髪のパンク野郎が歩いてきた。
全然まぎらわしくない。
どっからどう見てもリュウスケ君である。
コンビニがあって、米屋があって。
まさになんの変哲もない住宅街。
その中に、通りに面した窓ガラスに張ってあるCREAM SODAのフラッグがやたら主張している1軒が……。
もとはなんかの店舗って感じの掃き出しのサッシを開けて店内、いやリュウスケ君ちに入ると、そこにはいきなりPUNKな世界がやりたい放題に展開していた。
両サイドにのラックにはCDだのフィギュアだの帽子だのがみっちみちに並ぶ。
床にはなぜか飼育箱があり、コクワガタでも冬眠しているのかと思ったらそうではなくコオロギが飼われていた。
PUNK野郎もコオロギの鳴き声に癒されたりするんだなあ。
と思ったらコオロギは観賞用ではなく、サソリとトカゲ(もどき)のエサだった。
でも、みっちみちなのに上手いことスンナリ収まっている。
もしかして意外と整理整頓PUNKなのでは?
意外と収納上手PUNKなのでは?
と思えば、「弾かないけど」というウッドベースがインテリアと化してソファーの横に置かれていたりもするのだが、まあ、ここまではPUNK野郎のアジトとしては有り得る展開。
それに加えて、明らかに場所を取り、明らかに出たり入ったりがひと手間掛かって面倒であり、真夜中に近所で火事があって緊急避難しなくちゃいけなくなったりした場合に明らかに避難経路を妨げるだろうと思われるバイクを無理矢理入れてしまったところが、リュウスケ君の素晴らしいところだ。
しかも、駐輪場がないのでやむを得ず……ってわけではない。
最初っから目指していたのがココなのだ。
駅まで歩いて5分以内。
日当りがいい。
バス・トイレ付き。
部屋探しの条件は人それぞれだが、リュウスケ君の場合、最優先なのは「バイクを見ながら寝たい」なのである。
ンなこと言ってくる客がそうそういるとは思えないので不動産屋さんも困ったと思うのだが、リュウスケ君の熱意が尋常じゃなかったのだろう。
ココで2軒目。
バイクを見ながら寝られる物件をハシゴしているのだ。
普通のマンションじゃ無理なので、入り口が掃き出しになっている店舗用の物件を探すことになる。
やはり元店舗だった前の部屋は全面ガラス張りだった。
ガレージを借りようとして契約寸前までこぎつけながら、大家さんのオバアに「怖い」と反対されてポシャったこともある。
今の部屋も当然ながら元店舗だった物件。
そこを「お店はやらない」という条件で借りている。
探せばあるもんだねえ。
探せばあるんだよ!
だから「バイクを見ながら寝たい」けど、なかなか物件が見つからないという君に言いたい。
あきらめないで(真矢みき調)
そしてこの春、一人暮らしを始めるという君にも元店舗ライフをオススメしたい。
ちなみにリュウスケ君ち、夏場はガソリンとコオロギのニオイで悶絶だそうです。
そんな元店舗ライフの第一人者であるリュウスケ君がドラムを叩いてる『JIGHEAD』のHPは下記でーす。
http://www1.odn.ne.jp/~cce06810