風間 亮佑 & kawasaki ZRX400(2019.08.17/NAGOYA) |

14歳の時に読んだ湘南爆走族。
とりわけ主人公江口洋助の
「集会が終わるとよ、夜明けの海岸線を突っ走って帰るんだ。
明けはじめの道路ってのは紫色なんだよ」
というセリフが一番のきっかけです。
たまらなくその紫色の世界を見てみたくなったと同時に、
僕の地元は田舎なだけあって、周りにはいわゆるゾクの先輩たちがたっぷりいて
その人たちの背中がカッコ良くて単車の世界に飛び込みました。


大学時代、震災のボランティアに行った縁で、
卒業してから7年間、石巻で漁師をやっていました。
地元名古屋に帰ると決心した時、所有していたGSX250Eを手放して心機一転、
バイクを探していると、たまたま先輩から「ZRXならあるけど」と話をもらった。
それまでの自分のイメージの中にZRXはありませんでした。
水冷? 新しいおしゃれお利口さんスポーツネイキッドでしょ?……みたいな。
でも俺みたいな輩が欲しがる教科書通りの旧車は
めちゃくちゃな高額で取引されているし、
周りを見ても……族車、旧車会仕様、岩城ルック……とお決まりのスタイルばかり。
ゴリゴリのジャパニーズカルチャー。
それが大好きだし決して否定はするつもりはないけれど、
実際これらは僕がバイク乗りはじめてからなんだか不変的だった
それに比べてチョッパーは次々新しいスタイルが
生まれていってることを実感してたから、
これからの時代、俺みたいな趣味趣向のヤツも、
もっと違うスタイルを追求できる気がしていて。
俺にはカスタム屋のツレはじめ、
いろんなワンオフパーツや知恵、技術、刺激を与えてくれる仲間がいる。
だからベース車もちょっと教科書から外れてたほうがオモロいかな
と思ってZRXを相棒に決めました。
ハタから見れば全然大差ないと思いますけど。


湘爆江口のセリフの通りの世界を初めて見た時。
道路も街も全て紫色で。
それは実際5分となかったけど、その間ずっと叫び散らかしてた。
前にも後ろにもクルマはなくて「紫の中に俺一人」
マンガの世界と完全にシンクロした瞬間は興奮しすぎてコケそうでした。
今もその気持ちは変わらない。
普段はツルんで走るのも好きだけど、その一瞬はいつも一人で味わいに行ってます。
