君はバイクに乗るだろう VOL.159 |





初めて年賀状を出したのは小学校3年生だったと思う。
パソコンもプリンターもないから宛名も挨拶も手で書くしかない。
字が上手いわけでも絵が得意なわけでもなく、気の効いたメッセージも思い浮かばない俺は「一月一日元旦 新年あけましておめでとうございます」という一文をデカデカと、それも鉛筆で書くだけだった。
当時、郵便局に行けば失敗したハガキを1枚5円とかで新品と交換してくれるシステムがあったかは分かんないけど、小学生にとって毛筆やマジックペンボールペンといった消せないやつで書くのは御法度というか、使うなら下書きした上で慎重に。みたいな感じだったのでもらうのも鉛筆書きの年賀状が多かった。
枚数も大したことないし作業も単純なので、書き終わったー。ビール飲も。みたいな達成感はなかった。
ただ、女の子から年賀状が届くとうれしかった。
小学生の俺は、女の子からの年賀状を待つために正月を生きていたと言ってもいい。
冬休み前に「年賀状出すからね」とか言われることなんてなかったから、女の子の年賀状は不意で、中には「なんであの子が俺に?」的なサプライズもあったりして。
上手いヘタに関わらず、女の子は年賀状にイラストを入れがちだった。
たいがい干支とかみかんが乗った鏡餅とか。
可愛いもんだ。
小学生の時にもらった年賀状で今でも覚えてる1枚がある。
クラスメイトの西野良子ちゃんからのやつ。
良子ちゃんは顔がミニラに似ていて背もミニラばりに低かったけど運動神経が良く、声がハスキーでクラスでは可愛い部門に入っていた。
同じ班だったのかなあ。
ある日(つっても間違いなく正月だけど)、良子ちゃんから年賀状が届いた。
メッセージの横に七輪の上でふくらんでいるお餅が描かれていた(鉛筆画)。
あけましておめでとう。
おもちを食べすぎないようにネ。
ドキッとした。
「食べすぎないように」でいいところに「ネ」が付いてる、カタカナで。
「食べすぎないようにネ」と「食べすぎないようにね」じゃ距離感が違う。
「ネ」のほうが寄り気味というか心配度数に温もりがあるというか。
冬休み明けから、俺は少し西野良子を意識するようになっていた(何もなく終了)。
と。
そんな年賀状の思い出はともかくレディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
世界一チャーミングなバイク雑誌『君はバイクに乗るだろう』ちゃん、数えて第6号を3月16日に出します。
さらなる進化にご期待ください。(総合司会・坂下 浩康)
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