2018年 07月 04日
君はバイクに乗るだろう VOL.152 |





ある夜、ジョグングをしているとコース上の住宅街に消防車が停まっていた。
隊員が無線でごににょごにょ言っている。
「現着しました」
現着いいな。業界っぽいな。俺も使おう。とかなんとか246を東京方面に走っていると、さっきの現場に向かってるっぽいパトカー等のサイレンが何台か。
それからちんたら走って約30分後、消防車が停まっていたところを通りかかると入れ替わりに、中に誰か乗っている。なんらかの処置が施されている。って感じの救急車が1台。
な〜んかヤだな。
そそくさとゴールの神社に向かって走り出すと、さっきの消防車は少し離れた道ばたに移動していて交差する道をパトカーが通過するのが見えて、あ。あっちにも赤灯が……なになに? どしたの? 事件?……と嫌な予感を倍増させていると右後方から音もなくというか、ひったくりするバイクってこんな感じで近づいてくるんだろうなあって気配がして、「すいません!」と声をかけられた。
もっのすっご、びっくりした。
もっのすっご、ビクーーッ!ってなった。
見たらスクーターに乗った若い警察官。
だから何!? すんげーびっくりしたんだけどホントに。何があったの?
「このあたりでちょっと……」
ちょっと?
「こういう……」
若い警察官は上司から言っちゃダメって言われてるの何かを手にしてグイッと前に突き出すジェスチャー……それ、刃物で人をザスいや刺す的な? だろっ!?
若い警察官はこういう事件現場は初めてなのか興奮気味で、笑ってこそいなかったけど少しハイになってる風に見えた。
「それであの、青いジャージに茶色いパーカーを着た男の人を……見ませんでしたか?」
つかそれ、ほとんど俺と同じ格好じゃん。もしかしてチミ、俺を疑ってるわけ?
「いや、そういうことでは……あの一応、お名前を」
疑ってんじゃん! ただジョギングしてただけだよ! と少し興奮気味で応えて名前を名乗り、じゃあねと帰ろうとすると若い警察官は言った。
「家に帰ったら必ずカギを閉めて外には絶対出ないでください」
ちょっっ! こっっっっわ! むちゃくちゃ怖いんですけど。ビビリまくった俺は、神社には犯人が隠れがち。まあ主に時代劇だけど。とゴールの神社には寄らず、なるべく道路の真ん中を走って家に帰り、すぐカギをかけた。
翌朝、ニュース等でそれらしいネタはなかった。
んでもさ、こっちはまだ不安なんです。と、川崎市市民文化局市民生活部地域安全推進課っつーとこに問い合わせたところ、「御報告させていただきます。警察からの情報によりますと、犯人はすでに逮捕されているとのことです。情報を寄せていただきましてありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます」と何があったのか全然分かんないお答えが返ってきただけだった。
レディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
今は平和ですたぶん。(総合司会・坂下 浩康)

by hoya3104
| 2018-07-04 09:00
| バイク面(COVERS)
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