君はバイクに乗るだろう VOL.132 |
開店富士屋。
これは平日、17時の開店と同時に富士屋で飲み始めることを言う。
まだ3分の1くらいしか埋まってない店内。
平和だな〜。
ビールを飲んでいると、元柔道部またはラグビー部または山岳部な感じの、気は優しくて力持ちっぽい男が話しかけてきた。
よく来られるんですか?
いえいえ全然。月イチくらいっすよ。
ちょっとお話聞かせていただいてもいいですか?
なんの?
彼はテレビの制作会社のスタッフだった。
オオウラさん(実名)によると、とある番組の散歩系コーナーでとあるタレントが富士屋を発見。「渋谷にもこんなお店があったんだ!?」的に盛り上がり、「渋谷は若者だけの街じゃない。我々オジさんの街でもあるんですゾ!」みたいな感じで……って俺、オッサンその1かよ。
つか俺セレクトかよ、他にもオッサンいるのに。
でもさ〜、無理。俺そういうの絶対無理。って一撃で冷たく断る人とかいるでしょ〜? 大変ですよねえ、カメラ片手の突撃取材。
まあ、場所によっては俺も冷たい人間の仲間入りなんだけど富士屋にいるだけで気分がいいので受けてみる。
語れるほど通ってないけど適当に富士屋を語る。
そしてふと「いま俺、話しながら結構手を動かしてるな」と気づき、「これ後から見たら恥ずかしいかも」と冷静に自分を見ている俺がいた。
このままビールですか?
次ホッピーっす。
じゃホッピーになったあたりでまた来ます。
そう言い残してオッサンその2に向かうオオウラさん。
この油臭い店内に開店から閉店まで1人で常駐するのか……。
どのへんで撮れ高足りてます的になるのかなあ。
ホッピーに移行した頃、オオウラさんが戻ってきた。
お邪魔します。
お疲れっす。つかオオウラさん、飲んでないんすか? まあ、飲めないっすよねえ。
一杯だけご馳走になりましたよ。
え?
オニイちゃんもほらっ。飲めっ。何? 仕事中? 固いこと言うなって。これもなんかの縁なんだから!
とか、オッサンその2がグイグイ勧めたんだろう。
おお。このシーン。ふれあい人情酒場的でオイシイ!……とオオウラさんは思ってそこは使うと予想。
レディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
撮れ高って映像っぽいな。(総合司会・坂下 浩康)
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