宮崎 純 & CB750four k4(2016.07.29) |

Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノは?
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
乗るにあたりは単純に移動手段として捉えてました。
1988年、バイクブーム真っ只中。
二十歳の俺はバイクにまったく興味がなく、タンデムできるシンプルなバイクってだけでGB250に乗っていた。
その後、街中で紅くてデカくてカッコいい「HONDA」って書いてあるバイクを見てしまい、バイクに詳しい友人に「かくかくしかじかのバイク見たんだけどなんだろう?」って聞いたら「これじゃね?っ」てバリ伝を見せられ、教えてもらったのがグンのCB750F。
まさしくそれでした。
ほどなくGBをもらい事故で廃車にしてしまい、保険金で念願のCB750Fを手に入れました。
その後、1100Fがあることを知り、社会人になってから乗り換えた。
CB1100Fを大事にしていたので「足代わりに」と今のCB750four k4を買い足したところ……魂を抜かれました。
影響を一番受けたのは、このぽんこつCBそのものからが一番デカいです。
お前はどんなバイクに乗りたいんだ?
お前はどんな風に走りたいんだ?
お前はなぜバイクに乗るんだ?
ほんこつが俺に聞いてきて、俺に答えを教えてくれた気がします。
★ 2 ★
楽しいことはたくさんありましたが、ひとつあげるなら、ぽんこつK4を買ってウチまで引き上げる道中が最高に楽しかったです。
雑誌の売買欄を見て、朝霞から武蔵小山までヘルメット持って25万握りしめて行きました。
受け取って走り出した最初の一旦停止でまったくブレーキが効かずに止まれなかったのには肝を冷やしたけど、5分後には楽しくて興奮しまくってましたね。
ただの足代わりと思って買ったんですけど、魂を抜かれました。
★ 3 ★
かみさんが2人目を妊娠中に筑波サーキット1000で転んで骨盤真っ二つにしてしまい、歩けなくなったことですね。それから1年は修理すると言えませんでした。
九州まで下道自走で往復した時に中国山地のド真ん中でバッテリーが破損し、まったく動けなくなったこと。
その後、名古屋を過ぎて1号バイバスにさしかかったあたりで疲れてしまい、65キロで走ってたんですけどトラックに抜かれまくるので、ペースを上げないと危ないかなと思っていたらスピード違反で捕まったこと。「ここ、50キロ制限だから」だって。トラックは取り締まりがあることを知っていて、そこだけゆっくり走ってたんですね。半年後には制限速度が法定60キロに変わってましたけど。
★ ★ ★
Facebookで「知り合いかも」って出るじゃない。
あれって「どこでどう?」みたいな気味悪さもあるけど、「うおーっ! もしやチミは?」的な当たりもあるよね。
ある時、俺の知り合いかもに「Jun Miyazaki」の名前と黒いバイクのちっこい写真が顔を出した。
じぇいっっっっっっ!
冷静にアルファベットで書くと「J」
もしかしてチミは……俺がその昔在籍していたバイク雑誌の走り系イベントの常連で、イベントには速くてカッコ良くて走りもバイクもキャラもオラオラー!って感じの野獣も多々だったけど1人だけたたずまいが圧倒的に理系で理化学研究所の所長みたいで、それでいて走り出すと獰猛にCBより若いバイクを追い回してた……あの、じぇいっっっっっっ!
だべ?
ってことで友達申請をすると「ご無沙汰してます! 覚えてらっしゃいますか?」と返事が来た。
わーい。
当時もそうだったけど今もJは、すんげ。オラ絶対そこ行けね。というバイク界の最先端で働いていた。
しかも仕事上、日本にいたりいなかったりする。
じゃ今度帰ってきた時に会おうよー。
つったらちょうど夏休み的に一時帰国するらしい。
「ツナギで行きますよ」
わーい。
再現じゃん!
本人登場の完全再現ドラマが見れるじゃん!
某所のセブンイレブンの駐車場。
道路際の看板の支柱の根元にだけできていた細長い日陰で、近くにある大学に向かう女子大生の日傘使ってる率をカウントしながら(8割が使用。持ってない子はなぜか髪の毛を染めている傾向があった)待っていると、CBに乗った再現ドラマの主人公が予告通りのツナギ姿で現れた。
じぇいっっっっっ!
「はい、お土産」
ツナギのふところからチョコレートが出てきた。
海外出張先で買ってきてくれたんか〜。
ふにゃっふにゃに溶けてるけどありがとう。
Jのツナギは13年目。
俺の記憶の中の最後のJは、たぶん作ったばかりのツナギ姿だと思うのよね。
ってことは10数年ぶりか〜。
変わんないねえ。
逃げ場のない駐車場から道ばたの木陰に移動してJの今、噂の真相、そして「そんなことがっ!?」と驚かされるエピソードが山盛りの実録J物語……と話し込んでいると……あ!
クワガタ!
木漏れ日の下に置いてあったJのグローブの上をノコギリクワガタのメスが歩いていた。
日傘 クワガタ 黒ツナギ
夏ですねえ。
★ ★ ★