しば待ち from BMW BIKES |







「笑点っ子」ってほどでもないけど小さい頃は『笑点』を見て普通に笑っていた。
でも三波伸介は怖かった。
それはギョロ目と声のデカさが「ミノーさん」に似ていたからである。
「ミノー」っつーのは近所の人が呼んでいたアダ名で、本名は「実」という。
ミノーさんは酔っぱらうと坂の上の家まで歩くのが面倒臭くなるのか、ときどき坂の途中にあるウチの庭に入り込んで寝ていた。
地面ではなく、庭の入り口の両脇に生えているニラみたいな葉っぱの、わっさ。ってなってるところを好んでいたあたり、どんだけ酔っぱらっていても一応寝心地的なことは考えていたようだった。
行ってきまーす。
朝、小学校に向かわんとウチを出るやいなやそんなオッサンが庭でイビキかいてたらビビるでしょ。
でも何も言えねえの、北島康介ばりに。
怖いんだもん。
一句詠むと……。
赤い顔
漂う異臭
後ずさり
って感じで俺は、そんな自分の勇気のなさを思い出させる三波伸介は嫌いだったけど笑点は好きだったのだ。
そして時は40年くらい流れて歌丸さんがラストだっつーじゃない。
残念だ。
大相撲五月場所の千秋楽と丸かぶりじゃないか。
取組が終わるであろう5時半までは大相撲。そこから6時までの30分だけ笑点を録る。っつーのも出来なくもないけど白鵬がインタヴューで妙なこと言うかもしれないし、表彰式まで見たいじゃん。表彰式まで見てこそドラマは完結するわけでね。
なので歌丸さんの最後の勇姿は見れなかったんだけど、1週間後、新メンバーが発表になるという笑点を録画して見た。
新司会の昇太はやや緊張気味。
順調に座布団を積み上げる新メンバーの三平。
そして問題も細かいヤリトリも覚えてないけど、そこまで優等生的だった三平が、なーんか昇太がカチンと来るような答えを出したんだろう。
「全部持ってってください!」
昇太が山田隆夫に命じた瞬間だった。
「あっ!!!」
そこまで「なんでこんなもん見なくちゃいけないの?」みたいな感じで横にいた嫁さんが声を上げた。
それは「まさかそんなことが起きるのか!?」と心底驚いた声で俺も一瞬ビクッとさせられたんだけど、そこまで驚くほどのことか。全部つっても3枚だし、どんだけ笑点慣れしてないんだ。番組始まって50年も経ってるのにもしかしていま初めて「全部持ってけ!」を見たのかこの人は。
つか、嫁さんが一番面白かったな、あの日の笑点。
レディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
今回のしば待ちは『BMW BIKES』からでございます。(総合司会・坂下 浩康)
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