君はバイクに乗るだろう VOL.93 |

早起きして246沿いを歩くのと大して変わらない速さで走るのは気持ちいい。
汗かくのも楽しいけど、すれ違う見知らぬオジイやオバアに挨拶するのが楽しい。
昼間だったらスルーすると思う。
たぶん夜もシカトだ。
なんで朝だと挨拶しちゃうんだろ。
そこには「早起きして、運動して、体にいいことしてますね、お互いにね」って気持ちの共鳴・共有・グルーヴがあるのではないかと。
それとオジイやオバアは1日の運動のほぼすべてを朝に集中しているので気合いが入ってるというか、高揚しているのではないかと。
にしても、いい。
田舎のお盆のお墓参りの朝みたいな感じもあるし。
ある土曜日。
6キロくらい走って、最後にお参りしようとウチの隣の神社への裏道に入った時だった。
梶ヶ谷の交差点を過ぎた時、角の自動車買取屋さんの店舗の中にある時計が7時ちょい前だったからちょうど7時くらい。
人気のない住宅街の裏通りに「オールで遊んでいま帰ってきました〜」みたいな空気がビッシビシの金髪ホットパンツギャルがいた。
いやオールで遊んでたんじゃない。
彼女は今から出掛けるのだ。
左肩と左頬で携帯を挟んで話している。
「あん」(口を開けっぱなしで言ってるのでスゲ〜かったりー感じになってる「うん」)
「あん……。あん……」
明らかにやる気ないじゃん。
でもやる気なさげな割に早起きだよね。
でもってガチャガチャガチャガチャうるせえなあ。
つーのも彼女は左肩と左頬で携帯を挟みつつ、かつ右肩からバッグを提げつつ、さらに両脇にワインの空き瓶を合計5、6本バラバラに抱えて、底抜け脱線ゲームのなんかの種目みたいな感じで歩いているのだ。
でも彼女的には「缶瓶のゴミ出すトコ、すぐだし」ってトコだろうか。
にしても、自由を著しく奪われようとも空き瓶を東急のレジ袋にまとめるとかしないんだ!
と思って少し感動すら覚えた朝だった。
レディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
金髪の彼女への挨拶はスルーしてしまいました。スンマセン。(総合司会・坂下 浩康)
★ ★ ★

