映画『赤い季節』潜入記 ⑥:後編 ~なんとななるようになった~ |
3月22日。
この日からもう1台、撮影用の車両が加わる。
飯塚さん(http://youwbike.exblog.jp/15324542/)の1968年式ベンツだ。
闇のボスが手下に運転させといて自分はスポーツ新聞読みながら後部座席でふんぞり返ってるに相応しい1台。
現場見学も兼ねて的に飯塚さんにも日程を出していたのだが、撮影日は二転三転して平日のド真ん中になり、そりゃ仕事ですよね……ってことで搬送要員を用意しなくちゃいけなくなった。
どうすんの。
誰が運転するのそんな年代物のベンツ。
無理無理俺無理、バイク運ぶし。
ということで困った時の沖ダイヤルに電話をすると、「うってつけの人がいます」と言う。
ということで紹介されたのが木村さん。
この方がまた特濃である。
髪型は茶髪の佐藤 蛾次郎的。
身長も佐藤 蛾次郎的。
で、関西弁。
という、女性映像作家。
いい妖気を放っている(誉めてます)
木村さんはいにしえの外車(だったかな)だのハーレーだの(だった気が)を乗り継いでいて、「ベンツ? ああ縦目の? 大丈夫っすよ」てなもんで、事前に飯塚さんのオフィスで顔合わせをした上でそのままピックアップしてもらい、撮影当日、都内から自走してもらうことになった。
後半戦はほぼ連日手伝ってもらうことになってしまったAIR FISH(http://www.airfish.jp/)の東山マストー君とバイクを預けている栃木グランドホテルで落ち合い、バス停へ向かう。
本隊は朝から山小屋で撮影中。
バス停での撮影は13時からとなっている。
まあ、1時間前には。
と思ったら予想以上に早く着いてしまったので持て余す。
ちょっといっすか。
FTRで林の中に入っていくマストー君。
ちょっといっすか。
Z1Rで川沿いの道を往復するマストー君。
俺もちょっといっすか。
腹が痛くなったので道沿いの簡易トイレへ。
大丈夫かなあ、ここ。
水洗は水洗だけど「川の水を使っています」とか書いてあって、普通のトイレみたいな大小レバーがない。
常時、川の水がちょろちょろ流れているだけだ。
情緒はあるけど。
と思いながら用を足したらこれが予想以上の、バイクでいうとリッタークラスって感じのサイズとなってしまった。
頑張れ、川の水。
ここまで天気には恵まれてきた撮影だけど、明日は雨の予報になっている。
今日はかろうじて曇天。
ネズミ色の空の下、マストー君とくっちゃべっていると、押し気味で撮影を終えた本隊が黒いベンツを先頭にやって来た。




★ ★ ★
死闘!
俺的な撮影最終日、3月23日は死闘の日。
死闘と言えば欠かせないのがアクション担当のモロカジさん(http://youwbike.exblog.jp/17892344/)
6時半にホテルを出て現場に向かうとモロカジさんはすでに到着していた。
「今日もモロカジさんの炸裂アクション指導が見れる!」といううれしさと、「今日でモロカジさんの見納め(モロカジ納め)か……」という一抹の寂しさを胸に秘めて朝メシのオニギリを食べる。
ベンツとZ1Rを山小屋の下に配置して撮影が始まった。
しかし天気が心配だ。
でも持ちそうな感じも……ぽつり。
昼前から雨が降り出した。
テスト。
チェック。
本番。
チェック。
現場が切り替わるたび、ベンツとZ1Rにはビニールシートが掛けられ、芝居場となる山小屋への坂道に毛布が敷かれる。
美術の三ツ泉さんや制作スタッフが、雨で中断した後の甲子園でグラウンドを整備する係の人みたいな感じで濡れてないところからスコップで土を掘って運び入れているのだが、雨は一向に止む気配がなく、山小屋界隈は見る見る泥沼と化していく。
ベンツを、草むらを、森の木々を。
そして全員がカッパと長靴になっているスタッフ一同を雨が叩いていた。
それでも撮影は続く。
俺は数年前、ライターの先輩に「写真撮ってくれ」と頼まれ、釣り雑誌の撮影で、冬直前の三浦半島に行った時のことを思い出していた。
雨と風の中、ロープをつたって岩場を渡り、知る人ぞ知る投げ釣り秘境ポイントみたいなところに連れていかれた。
投げて、しゃくって、ちょっと待つ。
その間、「仕掛けを撮ろう」なんつってビチャビチャに濡れている岩場にハリとかオモリとかエサを並べて写真を撮る。
そしてまた投げちゃあ、しゃくって、ちょっと待つ。
「表紙に使うかもだから、いい型のカレイが釣れるまで帰らない!」と粘りに粘る先輩(結局釣れず、後日、チャラい感じの海釣り公園で再撮影)
あの時は言えた。
「もう今日は帰りましょうよ〜」と。
それに比べてこのスタッフ一同のタフさったらない。
ものすっげー根性。
なんとかする魂。
カアァーーーット!
山小屋の下からトランポまで移動するだけで泥まみれになってしまったZ1Rを収容したのが16時ってとこだったか。
撤収しようとエンジンを掛けると、入れ替わるように1台のクルマが駐車場に上がってきて、中から刑事役の泉谷さんが降りてきた。
今から……。
あの泥沼へ…………。
雨は全然止まないけれど、でもまあ……なんとかなるようになるぜ……かっ!
★ ★ ★

達也さんも新井さんも好きでこの映画見に行きました。
撮影に参加したなんて羨ましいな~
映画って、なにもないところから2時間分どうやってもれなく撮影するんだろう、なんて思っていたのだけど、この記事読んで、少しわかったからとても嬉しいです。ロケハンとか、スケジュールとか、、、
かっこいい映画になるように、みなさん頑張ってたんですね~~~
こうゆう記事書くのに許可とかって必要なんですか?
文章もおもしろかったです。
今更ながら赤い季節のレビューを書くので、こちらの記事紹介させてくださいな。
どうぞどうぞ〜。
劇場で見た時には、健が最初に少年と出会うところで、喧嘩して誰かボコボコにしてたような記憶があるんだけど、DVDでは無かったんです。
記憶違いかもしれないけど、、、
他に殺される人いましたっけ、、、
1秒くらいの場面ですが。

