映画『赤い季節』潜入記:前編 ~俺はいなくてもいいんじゃないか的な一日~ |

この日は調布の日活撮影所での美術打ち合わせ。
業界用語では通称「ビウチ」というらしい。
ビウチ。
関東学院大学からNEC、そして日本代表のキャプテンも務めたNo.8はミウチ。
その程度の認識と、山の中でも海っぺりでもないから寒くなくていいや程度の気楽さでE-1会議室へ。
ここでまでのロケハンで会っているスタッフに加え、百戦錬磨感あふれるヘアメイクの徳田さん(クジ運強)や、メガネを外したところが見たいと思わせる小道具の泉さん(色白)といった女性スタッフも参加して華やいだ雰囲気と思いきやそうでもない感じで、20数名での打ち合わせが始まった。
司会進行の久保田助監督が1ページから台本を読み上げつつ、場面場面で準備するべき大道具・小道具を確認していく。
これが細かい。
例えばダイナマイト。
誰が持つのか。
誰が作ったのか。
見た目がプロ製っぽいのか素人製っぽいのか。
全長、太さ、色、導火線の長さ。
その導火線だと火点けてから何秒ジリジリ言ってるの?
10秒か〜。
ちょっと短いかなあ。
的なヤリトリを繰り返して煮詰めていく。
俺の出番はヘルメットやグローブ、走らせるわけじゃないバイク数台の搬入出くらいだった気がするんだけどよく覚えていない。
でも打ち合わせは続く(『プラネタリウム』のベンジー調)
するとアクション担当のモロカジさんが少し遅れて登場した。
今日は座ったままの打ち合わせなので、残念だけどモロカジ劇場を見ることはできないだろう。
と思いながらも見ていたら、モロカジさんはイスに座り、白いポーチを机の上に置こうとしたんだけど手元が狂って落としてしまった。
しかしモロカジさんはその瞬間、草原のウサギを狙ってワシが急降下するみたいに左手を伸ばし、なんてこない顔ですくい上げたのである!
ナ……ナイスキャッチ!
今日もモロカジさんはキレキレだ。
でも、バイクの出番はもうないよな?
と思いながらも帰りそびれていると、百戦錬磨でクジ運の強い徳田さんがさすがヘアメイクらしい心配りで、「坂下さん、もう大丈夫なんじゃない?」と言ってくれたので夜食のオニギリ2つだけ食べて撤収しやした。
【教訓】俺は結局なんでもすぐ顔に出る。
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