つぶれたガソリンスタンド・コレクション |

つぶれたガソリンスタンドが好きになったキッカケはなんですか?
なんてことを人に聞かれることはないので、自分で自分に聞いてみる。
つぶれたガソリンスタンドが好きになったキッカケは、にゃあに?
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そっすねえ。
5年くらい前かなあ。
ときどき給油してた246沿いのスタンドがつぶれちゃったんですよ。
場所は246下り、津田山陸橋と溝口の間の「切通し」って交差点の近く。
都内からだと多摩川渡ってすぐ。
ざっくり言うと東京と神奈川の境界線。
そこには信号が3つあって。
246本線用、246に合流する側道用、246と交差する道用。
青信号の時間は246本線用が圧倒的に長い。
「まー、だいたい青だよな」つって、いつも一発でクリアできる予定。
計算できるっつーか。
だから赤で引っかかるとちょっと損した気分になる。
そらー、朝も夜も結構な交通量ですよ。
それだけの交通量がある大街道沿いだったのに、あのスタンドはつぶれちゃったんだなあ。
なんでかなあ?
ズバリ言って入りにくかったからだと思う。
入りにくい、つか「この信号で止まりたくね~」つって基本的に多少赤気味でも突破したい信号の先にあるんで、信号もろとも突破する人が多かったんじゃないかと。
つぶれたガソリンスタンドは、ほっとくと高津区・宮前区あたりの中高生が夜中に侵入して落書きをしがちなのでとっととフェンスで囲まれた。
でっかい屋根、ぶっとい柱。
建物も給油機も洗車マシンもそのまま。
目の前の246は相変わらずたくさんのバイクやクルマであふれてて戦場感バリバリなのに、スタンドには誰もいない。
でも気になる。
あそこにバイクを置いてビシビシに流れてる246をバックに写真撮ったらカッコいいかも。
そうだ。
このスタンドって特等席じゃん!
それから「屋根があるから雨降ってても撮影できるじゃん」とか「屋上も使えるじゃん」とか「ここで246のバイク見ながら飲みたいな、昼間に」とか「ここを事務所として借りた場合、お客さんの送迎にはサイドカーがいいだろう」とか「風向きによっては溝の口から焼き鳥臭が漂ってくるかもしれない!」とか考えるのが楽しくなって、俺はつぶれたガソリンスタンドのファンになった。
つっても好きなのはつぶれたガソリンスタンド全般ではなく、246の戦況が丸見えなそのスタンドだけだった。
ところがしばらくすると、サイズも立地もベストだったそのスタンドはいつしか更地になり、俺は夢を見ることが出来なくなってしまったのである。
それからだ。
楽しい夢を見せてくれるつぶれたガソリンスタンドを探すようになったのは。
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