2012年 03月 10日
君はバイクに乗るだろう VOL.68 |

「撮影用にVMAX貸して」
つって7、8年ぶりに訪れた清水の友達の実家は、一度通り過ぎてから戻って表札を確認して「やっぱここだよな」ってピンポン鳴らすくらい大きく変わっていた。
バリアフリーの親孝行住宅。
軒先の藤棚も広〜い土間も五右衛門風呂もなくなっていた。
ベッドの下に隠していた美里 真理のビデオもたぶん処分しただろう。
どどどど、道場はどうなった!
友達の親父さんは柔道だか合気道だかの有段者かつ指導者だったので、家の裏には道場があったのだ。
おそるおそる裏に回ると……あった。
あの頃のまんま建っている。
7、8年ぶりに来て「なんで藤の木ぃ、切っちゃったんだよ〜、もったいない!」なんて極めて勝手なことも思ったけど、道場があってなんだかホッとした。
家の裏には友達のCBR400Fと嫁さんのBALIUSがシートをかぶって並んでいる。
どっちも今は動いていない。
りりりり、陸王はどうなった!
友達の親父さんは陸王を持っていたのだ。
そして陸王はちゃんと道場に保管されていた。
それについてもホッとした。
親父さんは昔の人にしては背が高く、ガッチリとして威厳があり、遊びに行っても一緒に飲んだりしたことはない。
でも一度、バイクで遊びに行った時、「お邪魔しました〜」なんつって家の前でエンジンを掛けて準備していると、親父さんが表に出てきて腕組みしながら俺のバイクを見てこう言った。
「ほお。水平対向か」
俺は、威厳ある親父さんに「ほお」なんて言われて、ベンベでもビーエムでもなく水平対向呼ばわりされたことがうれしかった。
うれしかったなあ。
忘れられないなあ。
と、思いながら線香を上げた。
レディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
人の家で4時くらいに入る風呂はやっぱり最高だねえ。(総合司会・坂下 浩康) ★ ★ ★

by hoya3104
| 2012-03-10 00:01
| バイク面(COVERS)
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