本間 正己 & Harley-Davidson FLH (2011 1109) |

Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
一番は7つ年上の兄貴。
ちっちゃい頃から後ろに乗せてもらってたから。
そして、仮面ライダー、ワイルド7、イージーライダー、Hell's Angels、ケンタウロス。
あとはハーレーに乗っていた先輩方。
★ 2 ★
バイクの気持良さは別格ですが、ハーレーに乗り始めてから数えきれないくらい友人ができて、人脈が広がったことかな。
★ 3 ★
泥酔状態で事故ったこと。
2003年に行ったアメリカ1周ツーリング中、ロッキー山脈の頂上付近でキャブが壊れた時。
「もう死ぬかもしれない……」と思いました。
★ ★ ★
★ 飲酒運転はいけません。
ベロベロでバイクに乗って痛い目に遭っている人は結構いる(★)
痛い目に遭わないと分からないんだからしょうがない(★)
いま思えばそら恐ろしい。
タイムマシンであの夜に戻って自分で自分に説教したい。
タイムマシンであの夜に戻って、ふざけまくる子供にブチ切れた母親が「いい加減にしないさい!」つって耳を引っ張って連れてく感じで自分で自分をバイクから引き離したい。
でもな〜んか普通に乗っちゃってたんすよね〜(★)
と、本間さんの飲酒運転トークに相づちを打っている俺も、痛い目に遭って初めて「飲酒運転はやっちゃダメ」ってことが分かった人間である。
俺が飲酒で事故ったのはバイク雑誌の編集者になりたての頃だった。
1週間くらい入院しただろうか。
一応、原稿用紙と紙と鉛筆を持ち込んだりはしたけど、ここぞとばかりに好きなだけ寝ていた。
寝て食って、見舞いにきてくれた友達とくっちゃべって食って寝て。
それは規則正しい生活の中で、本を読んだり考え事をしたりして、痛い目後の新しい自分を生み出していく時間ではなかった(★)
本間さんがSHAFT SILVER WORKS(http://www.shaftsilverworks.jp/)で発表している作品はBellをモチーフとしたものが多い。
りーんりーん。
ベルですよ。
なぜにベルなのか。
きっといろんな意味や思いが込められていると思うのだが、本間さんは分かりやすく教えてくれた。
「交通安全のお守り」
りーんりーん。
道の上に巣食う魔物はベルの音が嫌いなのである。
こういう話は好きだ。
どんな魔物か考える。
コイツ、くわえタバコで態度わりーなあ。
あつっ!
バコタ捨てやがった!
あぢーんだよ!
ジリジリいってんだよ!
地面に住んでる俺的には許せないんだよ!
ドオリャーッ!(背中のコブを使ってバイクを事故らす。そう。魔物の背中にはコブがある)
ちょっと違うか。
思うに魔物は尋常じゃなく耳がいい。
地球上でいま何台のバイクが走ってるかを瞬時にして数えられるくらいに耳がいいと思う。
なんせ地面に直だから。
魔物の耳はよく聞こえる上に丈夫なので、どんな爆音でも鼓膜が破れたりはしないんだけど、唯一、「あ。やめて……。鳴らさないで〜」という耳障りな周波数を発するのがベルなのだ。
サンタクロースがソリにベルを付けてシャンシャンいわせてるのも、そういう理由があるのではないか。
入院中、本間さんは思った。
泥酔運転でひっくり返った自分を顧みた(★)
どんだけ飲んだのか。
揺れる視界。
冴えていく、ような気がする五感。
突然の衝撃。
地面に横たわるバイク。
そういえばあの夜は、ベルを持ってなかったな……。
病院のベッドの上で、本間さんはベルの絵を描き始めた。
痛い目に遭わないに越したことないけど、痛い目に遭った後に何をつかみ取るか。
そこなんだなあ(★)
★ ★ ★
