酒井 稔 & TRIUMPH TR6(2011 0928) |

Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
梶川 祐三(地元の先輩)
水野 直純(ATELIER CHERRY)
★ 2 ★
仕事がとても上手くいった後。
★ 3 ★
今のところありません。
★ ★ ★
一番弟子。
いい響きだ。
俺は今まで師匠と言われる人についたことがないので余計憧れる。
で、で……弟子にしてくださいっ!(玄関前で土下座する若者。横には全財産、といっても着替えくらいしか入ってない風呂敷包み。夜更け過ぎ。天気は雨)
またオメエか! 俺は弟子は取らねえんだよ!
お願いしますっ! 師匠!(土下座継続。実は冬だった。夜更け過ぎなので雨は雪へと変わるだろう)
分かんねえヤロウだなあ。
師匠みたいな職人になりたいんですっ!(土下座モード継続。涙と鼻水がごっちゃになった声。でも鼻水が出てるのは薄着なので単に寒いせいもある)
師匠師匠って気安いんだよこのヤロウ!
師匠みたいな……師匠みたい……な……(消え入りそうな声でつぶやきながら力尽きて倒れ込む。実は三日三晩寝ずに玄関前に座り続けていた)
…………(無言で空を見上げる師匠。いつの間にか雪が落ちてきている)
ガラガラッ(玄関の引き戸が開く。毛布を持ったおかみさんが立っている)
ほら。可愛い弟子が風邪ひいちまうよ!
しょうがねえヤツだなあ(若者に毛布をかけ、腰を抱えて引き起こす師匠)
カンッ! カンッ!
遠くに響く拍子木の音。
「火のぉ〜よぉ〜じ〜ん」(実は昭和初期だった)
雪、しんしんと(師匠の家の屋根瓦に降り積もる雪のアップ)
つづく(テロップ)
みたいな展開が鎌倉山の『ATELIER CHERRY』(http://www.ateliercherry.com/)であったかどうかは定かではない、というか、たぶんなかったと思うのだが、酒井君はチェリーさんの一番弟子。
酒井君が一番弟子なんだよね?
まあ、僕が一番長くいますから(笑)
といったヤリトリも含めて一番弟子!
一番弟子にはブルースが似合うぜ(作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童)
バイクのシートとか財布とかバッグとか。
チェリー工房の革作品はいろいろあるのだが、なんなんだ。
革を志す若者が最初にやるのはなんなんだ?
それは革を丸くカットしていく作業だった。
丸くする? どんな?
酒井君はアトリエに戻って1つ持ってきてくれた。
それは直径8センチくらいで、中も直径3センチくらいで切り抜かれている。
大きさの違う2つの円を断面が斜めになったりしないようにピシーッと、かつ、まーるくカットしなくてはいけない。
俺そんなん無理。
紙でも出来ない。
たぶん途中でワーッてなって指とか切る。
でも酒井君は来る日も来る日もカットした。
遂にある日、キレイな円が描けた。切れた。くり抜けた。
そして、次のステージへ進み、4年が経った。
俺の好きな寿司屋の親方(NHKのドラマだけど)は、「職人ってーのはな、一生修行なんでぃ!」ってよく言ってたけど、その通り。
一生ですよ一生。
だからね。
無理して腰を悪くしたりしないように気をつけてくださいね。
と、急におかみさん目線になって終わります。
★ ★ ★
