宮澤 一平 & kawasaki W1S(2011 0918) |

Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
特攻の拓。
ブランキー・ジェット・シティ
昔、職場にいた先輩(だいたいこの人の影響デスね)
★ 2 ★
バイクを通していろいろな人と知り合えた。
思いもよらない出逢いやまさかの再会があった。
★ 3 ★
フルローンで買ったばかりの新車で盛大にコケたこと(しかも前の晩にコケる夢を見ていた……)
進入禁止の林道にうっかり進入してしまい、引き返そうと思ったら出られなくなって、焦ってもがいてたらオーバーヒートしてエンジンが止まったこと。
★ ★ ★
6年前の初夏。
暑い日だった。
今は完全坊主だけど当時は後ろだけ少し長めのシャレオツ坊主だった宮澤君は、地元の美容室に向かっていた。
黄色いVESPA50S。
浮いている。
埼玉の片田舎を走るいにしえのイタリアンスクーターは明らかに浮いている。
美容室に着くと、そこにも1台の浮いたバイクが停まっていた。
いにしえの英国車。
ゴールドのトライアンフ・サンダーバード。
珍しいな、こんなところに。
このへんじゃ~見かけねぇツラ、じゃなくてトラだな。
どーにも引っかかる。
髪を切り終えた宮澤君は店を出ても帰るに帰れず、トライアンフを眺めていた。
すると、メガネをかけたセミロンゲのお兄さんが出てきた。
話しかけようかどうしようか考える間もなく、お兄さんが声を掛けてきた。
「やあ。これは私のトライアンフだが、どうかしたかね?」(セリフは想像)
「さすが英車に乗ってる人は伯爵みたいに話すんですね」(セリフは捏造)
「わ〜、ベスパですか〜。お互いこんなところでこんなバイクに乗ってるなんて珍しいよねっ」(このセリフはほぼ本当)
お兄さんは話好きだった。
トークは弾む。
セミの声。
日本の夏、埼玉の夏。
狭山茶どころ情けが厚い。
「じゃあ、そろそろ帰ります」
と、宮澤君は帰ろうとしたのだが、ベスパのエンジンが掛からない。
するとお兄さんが駆け寄ってきた。
「押し掛け手伝うよっ!」
2人で押した。
何度も何度も2人で押した。
ああ、この瞬間が永遠に続けばいいのに。
とは思わずに押した、エンジンが掛かるまで。
バランベッタッタ。
エンジン始動。
ありがとうございます!
心の底から感謝。
エンジンが止まらないうちに……。
あわただしく走り去る宮澤君。
手を振るお兄さん。
バランベッタッタッタッタッタッ。
夏が始まっていた。
押し掛け大河ロマン 第1部 完。
「彼は東京行ったよ」
何度か美容室に通う中、宮澤君はお兄さんが引っ越したことを知った。
そもそもが偶然の出会い。
もう会うこともないだろう。
今年の6月。
宮澤君はWEBマガジンの撮影会で原宿に出かけた。
現場に到着すると、そこには既に数台のバイクが集まっている。
と、その中に、見覚えのあるゴールドのトライアンフが……。
ん〜、まさかなあ。
ん〜、でもなあ。
思い切って話しかけてみる。
あのぉ~。
前に美容室でお会いしませんでしたか? 僕、その時ベスパで……。
「あーっ! 君はあの押し掛けの!?」
お兄さんは宮澤君のことを覚えていた。
宮澤君は、ベスパの押し掛けを嫌な顔ひとつせずに手伝ってくれたお兄さんを覚えていた、というか忘れるわけもなかった。
2人でベスパを押し掛けした日から、5年が過ぎた夏の日の再会だった。
押し掛け大河ロマン 第2部 完。
ゴールドのトライアンフに乗っていたのはテルちゃん(http://youwbike.exblog.jp/12876662/)で、宮澤君とは地元が一緒。
2人は地元・埼玉県の狭山市あたりで出会って東京で再会し、テルちゃんの紹介で宮澤君と俺は埼玉県の狭山市あたりで会うことになったのである。
押し掛け大河ロマン 第3部 つづく。
