城山 宜弘 & Triumph Thruxton900(2011 0826) |

Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
学生時代のサークルの先輩と友達(FZR250、GSX-R250、CB400 SUPER FOURなど)
彼らはそんなにカッコ良くなかったけど、とにかくバイクがカッコ良かった。
社会人時代の先輩、東京に出てきてからの友人(GPZ750F、CB650、ELIMINATORなど)
★ 2 ★
自分は10年前に上京してから免許を取って、28歳くらいで乗り始めたのですが、ずっとバイクに乗るのを我慢していた分、乗り始めた時のうれしさは言葉で表せないほどでした。
技術や運転のことには疎いのですが、ときどき、気持ち良く走れる感覚があり、そういう時、最高だなと思います。
基本的にバイクに乗っている時間は気分が高鳴ります、雨の日以外は。
★ 3 ★
4年前、整備不良のSRで走っている時、前輪がおかしくなり転倒。
手をケガして握力が落ちて、「次いつバイクに乗れるんだろう?」と最悪な気持ちになりました。
職人なので手のケガは仕事にも響き、資金的にもバイク復活は遠い道のりでした。
7月、4年半ぶりにバイク復帰しましたが、城南島が夜は立ち入り禁止になっていることを知らずに走りに行ったところ警察車両に止められ、車上荒らしと疑われて30分くらい職務質問をされたのもちょっとだけ嫌な感じでした。
★ ★ ★
じゃあ金曜日、15時くらいに。
と、城山君の撮影をセッティングして木曜日。
NHKの天気予報を見ていると、金曜日は1日晴れたり曇ったりなのに15時から18時にピンポイントで傘マークがついていた。
「大気の状態が不安定になって、にわか雨か雷雨」ときた。
この3時間だけに傘マークを入れるとはよほどの自信があるのだろう。
城山君に電話して13時スタートに変更してもらう。
降り出す前には撤収しなくちゃね。
金曜日、13時。
はためく小粋なジャケット。
1ヶ月前に新車で買ったスラクストン。
ぴっかぴかじゃないか。
やってくるなり城山君はタンクバックから紙袋を取り出して「ここの団子、美味しいんですよ」とお土産をくれた。
そーんなそんな。
気を使わなくてもいーのにー。
と言いながら遠慮なく受け取ると、しっとりとした重量感があり、要冷蔵な感じがしたので日陰に置いてお茶を買いに行く。
降るとか言ってるけど大丈夫そうだね〜。
かなんか言いながらくっちゃべっていると、いろんな城山君が見えてくる。
ケンカをしたことがない。
だから人を殴ったこともない。
日本刀が好き。
さらに、城山君は210人目のナイスガイだったのだが、データからいうと52人に1人の割合で現れる相撲好きだった。
1月、5月、9月。
両国国技館で場所が開催されると必ず1回は見に行くのが城山君のルールだ。
「行ってみたい」という知り合いがいれば一緒に行くし、1人で行くこともあるという。
チミは実家が両国の小林君(http://youwbike.exblog.jp/13981583/)ぶりに気合いの入ったsumort(スモート=相撲好き)じゃないか!
どすこーーい!
そして気がつくと、俺のsumort歴、両国思い出話、相撲ひとくちメモ、9月場所の展望、今後の相撲界について語り続けている俺がいた。
城山君が到着してから1時間半が過ぎていた。
見上げると、さっきまで太陽が顔を出していた空は真っ黒い雲に覆われていた。
まさに「大気の状態が不安定」って雰囲気。
「にわか」じゃなくて雷を伴った激しい雨の予感。
でももう遅かった。
小さな公園内を移動しているうちに落ちてきた雨は、アッという間にザーザー降りになり、城山君も1ヶ月前に新車で買ったぴっかぴかのスラクストンも小粋なジャケットもびしょ濡れになってしまった。
このブログの撮影は、毎回ナイスガイの貴重なお休みの時間とか大切な仕事の合間のひとときを割いていただいて行っている。
そんな中で雨でバイクが汚れちゃっちゃあ申し訳ないので、行きも帰りも撮影中も降られることがないように、撮影日は天気予報を見ながら慎重に決めているのだが、撮影中に降られたのは210人目にして城山君が初めてだ。
と言うと、城山君は「それは記念になる」と笑ってくれたけど……。
幸い駐輪場まで近かったのが救いだけど……。
城山君と別れて駅に向かう。
途中、雨は勢いを増し(相撲ひとくちメモ:今、「勢=いきおい」という四股名の幕下力士がいます)雷も鳴り出した。
俺はその時点で、頭にかぶっていてもまったく意味がないビッショビショの手ぬぐいだけが激雨に対する唯一の防衛手段だったのだが心が折れ、タバコも吸いたくなったので、「いったいいつ以来だろう?」と思うくらい久しぶりに雨宿りをした。
甲州街道のザーザーアスファルトを見ながら一服して、写真を撮ったり雷を見たりしていたら少し落ち着いた。
というかやることがなくなった。
あ、そうだ。
俺はバッグから1枚のメモを取り出した。
このままバッグの中に入れておいたらフニャフニャになって読めなくなるかもしれないから半ズボンのポケットに避難させようと思ったのだ。
それは城山君が持ってきてくれたメモだった。
バイクに乗るキッカケ。
今まで最高の出来事と最悪の出来事。
城山君はこのブログをチェックして、事前にアンケートの回答を持ってきてくれたのである。
それはパソコンで打った原稿をプリントアウトしたA4のコピー用紙だったのだが、最高の出来事の答え「基本的にバイクに乗っている時間は気分が高鳴ります」の後に一言だけ、ボールペンでこう加筆されていた。
基本的にバイクに乗っている時間は気分が高鳴ります。(雨以外)
ホンット、サーセン!
城山君はシルバーアクセサリー職人として、自身のブランド『GRYPHON』で作品を発表しています。(http://gryphon.jp)
