田谷 聡宏 & TRIUMPH T110(2011 0811) |

Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
ガキの頃に見た、リーゼントで上から下までBlack Leatherでキメこんだ不良なバイク乗りのオニイさん達!
★ 2 ★
初めてバイクにまたがってスピードを出した時。
★ 3 ★
エンジンからガチャガチャ異音がして、ヘッドをバラしてみたら、燃焼室からあるはずのない小さなボルトが発見された時!
★ ★ ★
シェルターに迷わずに着いた。
俺は下北という街を全然把握していない。
だから「シェルターでライヴやるんで是非!」なんて誘ってもらった場合、「行きますよ」と返事をしながら「どこだっけ?」と思っている。
名前と場所がすぐにつながらない。
しょっちゅう行くわけじゃないし、いろんなライヴハウスが頭の中でごっちゃになってるので、下北に行く時は地図が要る。
でもこの日は頭の中に地図をタタッ込んで勝負してみた。
昼から草加で撮影して、夕方には外苑前で展示会に顔を出す。
だからなんとなく、より手ぶらな感じでいたかったのだ、A4のコピー用紙にプリントした地図なんて4つに折ればケツのポケットに収まるけど。
川崎から草加までの小さな旅。
草加から外苑までの小さな旅。
外苑での小さな飲み。
外苑から下北までの移動。
その間に頭の中の地図が消えてしまう可能性も大だったけど、奇跡的に俺は俺を一発でシェルターに導いたのだった。
誰かに誉めてほしい気分でライヴ前、コンビニでビールを買って飲んでいると片山さん(http://youwbike.exblog.jp/13800285/)が来たので「ザス!」
かたわらに背の高いリーゼントの……ん? 見た顔だ。
おお、チミは福島の!
去年、GASOLINE(http://youwbike.exblog.jp/13413602/)で会ったトミー君じゃないか!
「いつか写真撮らせてね」って名刺も渡してるはずだ。
その「いつか」が来たって感じがしたので、その場でお盆帰省の途中、福島に寄ることを決めた。
でもトミー君は最近立て続けにクルマで追突事故に遭い、腰を痛めてヘルニアを手術するハメになり、思い切りバイクに乗れる体調じゃないという。
そんなんでバイクの撮影、まあ、走り回ってもらったりはしないけど、大丈夫なのか……?
とも思ったけど、新生フリークストーム(http://freakstorm.info/)のライヴが始まるとトミー君はフロアのド真ん中で踊りまくってたから大丈夫ということにして10日後、俺は福島に向かった。
東北道を白河で降り、4号線へ向かう途中にあるパチスロ屋の駐車場の中で唯一日陰になっている道路際の看板の下で待っていると、金色タンクのトライアンフを積んだ軽トラが現れた。
降りてきたトミー君を見て、俺は焦った。
というのも数時間前、トミー君が着てきたROLLのTシャツを俺も着そうになっていたからである。
ライヴの物販でみんながこぞって買ってすぐに着てチームな感じになってるんじゃなくて、家で「よーし、これだ!」って選んで着てきたのに現場に着いたらペアルックになっているのはそこはかとなく恥ずかしい気がする。
でも、ライブハウスならまだしも、福島のパチスロ屋の駐車場でTシャツがかぶるのは恥ずかしいを通り越してミラクルであり、予告としたら間違いなくプレミア、魚群で言えば赤魚群だ。
だから「惜しい!」って感じだった。
結果的にかぶり損ねたので「俺のミス!」とすら思った。
今日から俺は、かぶろう会に入ろう。
年季の入りまくった鉄製のラダーが軽トラに掛けられ、少しお腹を擦りながらトライアンフが降ろされる。
またがってエンジンをかけ、「あっちっすね?」つってノーヘルのまま気軽に走り出すトミー君は「地元だからOK感」にあふれていて、見ているとだいたいのことが大丈夫な気になってきた。
撮影後、4号線を北上しているとトミー君からメールが入った。
「暑いので、これから川に水遊びに行ってきます」
川で、水遊び。
その響きが新鮮で、小学校3年生というか、青空に残された私の心は夏模様というか、あ〜、俺は今、たまらなく夏の東北にいるーっ!って感じで、こういう気持ちになってる今が好き、と思ったわけだが、トミー君はもう少し腰をいたわったほうがいいんじゃないかな〜とも思ったのであった。


