マンガ『君はバイクに乗るだろう』#14(Goo Bike Vol.147) |
まだ免許も取れない、当然バイクも買えないような少年が、バイク雑誌Aをめくっている手を止めた。
そこには1台のバイクが載っている。
ハ〜レイ?
はーれー?
エフエックスアールエス。
パねえ!
カッケー!
ゴイス〜!
言わないな、ゴイスは。
それはともかく、少年の旅はそこから始まるのだ。
いつのバイク?
どこのバイク?
どの雑誌を見れば詳しく書いてあるの?
いくらするんだ?
どこに売ってるんだろう?
バイク雑誌コーナーに並ぶ雑誌を手当り次第にめくり倒していると、あったーっ!
バイク雑誌Bの1ページ。
ちっちゃい写真だけど、確かに「FXRS」って書いてある。
そこには少年にとって、目ん玉もキンタマも飛び出るような値段が書かれていたのだが、バイク屋さんの住所を見たら隣の区。
地図を見る。
あ! ドンキの近くじゃん。
チャリンコで前を通りかかったことあんじゃん!
チャリに飛び乗る。
坂道でもないのに立ち漕ぎだ。
赤信号がじれったい。
表に並んだバイク達が、夜の街を取り囲む低い山のように見える(低い山のイメージ=岩手県宮古市) チャリにまたがったままチラ見すると、奥に店員さんらしき人影が動いている。
1人の店員さんと目が合った。
つか、明らかにこっちを見ている。
ような気がして一瞬ビビって「お父さんに頼まれてドンキに発泡酒を買いに来たんですよ〜」みたいな顔になってチャリを漕ぎ出してすぐに止まってUターン。
みたいな不審な行動を2度3度繰り返していると、1台のバイクが乗りつけた。
FXRSだ!(と、少年は思い込んでいるけどそのバイクはFXRSじゃない) おそるおそる近づく。
あ……の〜。
って言おうと思ったけど言えずにもじついていると、バイクを降りたお兄さんが声をかけてきた。
「オニイちゃん、バイク好きなのかい?」(寅さん調)
「ザス!」
といった感じのまぶしくてつるつるしてる出会いがあるのがバイク屋さんだよね。
つか、そうあってほしいよね。
そんなことを思ったので、「街のバイク屋さん」感あふれるアシストさんにお邪魔した次第。
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