マンガ『君はバイクに乗るだろう』#9 (from Goo Bike Vol.135) |





★ ★ ★
ランブレッタ長藤君(http://youWbike.exblog.jp/11724489/)は「サマンサ」または「マンサさん」と呼ばれている。
長藤君は、ちょいちょいランブレッタ仲間を紹介してくれるので、俺は勝手にランブレッタ党の党首として崇め奉っている。
崇め奉るといえば、先日、姪の入学式に行ってきたのだが、世の中には崇め奉られている人がいろいろいるじゃない。
大学の偉い人によるコメント。
関係者によるメッセージ。
新入生代表の男子2名による選手宣誓みたいなの。
校歌斉唱。
といった流れで、さほど盛りだくさんでもないシンプルな入学式が1時間程度で終わった後、教頭的なポジションと思われる人がステージに上がってきて「最後に2つ3つ、注意事項があります」と語り出した。
「これからの新しい暮らしの中で、新入生の皆さんにはたくさんの誘惑があると思います。麻薬、お酒、カルト集団による勧誘……。それは皆さんが気づかないところから忍び寄ってくるのです」
東京は怖いんだぞと。
要注意だぞと。
浮かれてんじゃねえぞと。
そんな感じで教頭的なポジションをにおわせる先生は去っていったのだが、その夜、ウチに帰ってきた姪にジュースみたいな酒を飲ませながら(←すでに誘惑に負けている姪)お祝いしていると、姪が「これ、もらったんだ」と一冊の本をうれしそうに差し出した。
帯には薔薇の花の写真と「おめでとうございます」のメッセージ。
まったく得体が知れない雰囲気なのだが、帯の下にはもう1枚、ホントの帯があり、カルト集団のトップとして一部の人達に崇め奉られているオッサンが思いっきり微笑んでいた。
入学式が終わった後の、会場からの人の流れが途切れるか途切れないかなあたりで、それは大学側が用意した贈り物的な雰囲気で配られていたという。
商売上手だね。
マンサさんのトレーラー付きランブレッタを初めて見た時、これは幸せを運ぶマシンだな、と思った。
クリスマスにはトレーラーに、リボンが付いた箱入りのプレゼントを詰め込んで、幼稚園を回って欲しいと思った。
それを、そのまんま大森君が描いてくれたわけです。
★ ★ ★






