更新後記VOL.46 |






叔母さんの引っ越しの手伝いから帰ってきた嫁さんが、いかにもオバちゃんが使ってそうな淀んだ色のがま口をもらってきた。
「これ使う?」とか言われて使う気もないのに断れずに受け取ってしまった。
嫁さんとがま口とはそんな距離感なんだろうなあ。
というのがありありと見える。
「これ使う?」
がま口を手に取り、嫁さんは叔母さんに言われたであろうセリフを口にした。
俺はもちろん「使う」と即答した。
叔母さんは嫁さんの叔母さんであって俺の祖母ではないが「ばあちゃんが大事にしてたヤツ」みたいなイメージで使いこなしたろ、と思ったからである。
大きめのがま口にはタバコを入れている。
小さいがま口は、低性能デジカメ用のメディアがちょうど3枚収まるサイズ。
これとは別に、仕事の具を持ち歩くためのUSBと都内某事務所の鍵を入れる用に、いつぞやRUDE GALLERYのイベントでもらった黒いちっちゃい小銭入れも活躍しているのだが、どれだけちっちゃい小銭入れでも、急遽飲みにいくことになったりすると、別にそのままポケットに入れちゃえばいいのに、なぜか、より手ぶらなスタイルを求め、鍵だけ引っこ抜いて飲み歩いた挙げ句、翌日出掛ける時に「あれ? 鍵……鍵どこだっけ!」と慌てふためいていたりする。
まあ、たいがいは出てきますよ。
上着のポケットとかね。
置いた記憶がまったくない洗面所とかね。
感動の再会を果たすもんですよ。
でも、ま〜ず無くさないだろうと思う物が、消えたんです。
俺は、古新聞回収用の茶色い紙袋を、角がピシーッと出ていて美しく、しかも高密度に詰め込み、持ち上げる時にヘタすると腰を痛めるくらいな感じまでビルドアップするのが趣味なので、新聞の上には5キロの鉄アレイを2つ載せている。
その鉄アレイが、こつ然と消えた。
間違って捨てるものだろうか、あれ。
レディース & ジェントルメン! & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
こつ然と姿を消した鉄アレイは23年くらい使ったもので、もともと青かったけど今は茶色がかってて、持つとこにガビガビになったテーピングが巻いてあります。見掛けたらご一報ください。(総合司会・坂下 浩康)




