君はバイクに乗るだろう VOL.44

　流し台の上の棚、あるじゃない。
　開けると何が入ってますか？
　ウチだと大中小３つセットの鍋、フライパン、目玉焼き作る時とかに使う、なんつの？ あれ。
　ま、食器だわな。

　「ヘッドフォンが４つ入ってる」

　プレイグスのライヴに行ったら、ボーカル ＆ ギターの深沼さんがそう言った。
　一応水回りな場所に一応電化製品なものを保管することは、メーカ的にはあまり推奨しないライフスタイルだと思われるのだが、そもそも「朝からVOLKSでステーキセットを食べる」なんてことを普通にしているという深沼さんの家にはガスコンロ的なものがないらしい。
　陶芸家のお父さんの作品以外に食器らしい食器もないという。
　それでも全然困っている様子が見えないというか、それが当たり前なようだった。
　深沼さんのトークは続く。

　幸運なことに、毎日、音楽だけをやっている。
　来る日も来る日もギターを弾いている。
　来る日も来る日もギターを弾いている俺は、ちょっとずつかもしれないけれど、間違いなくギターが上手くなっているはずだ。
　いや、上手くならないわけがない。
　だからきっと、60歳になったら超人になってるよ。

　お〜。
　いいこと言うねえ。
　「超人を目指す」
　まあ、深沼さんは「超人目指しま〜す」とは言ってなかったけど、ギターでもなんでも超人を目指すってカッコいいじゃないか！
　だからそこのロック少年または少女よ。
　もし、君がバンドをやっていてギターを担当しているなら、今すぐ流し台の上の棚にある食器を捨てろとは言わないからどこかに移したほうがいい。
　それがギター超人への近道だ。
　斬りっ！（←それはギター侍）

　レディース ＆ ジェントルメン ＆ ザス！
　いつも。
　ときどき。
　今日初めて。
　すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
　僕は編集超人を目指します。
　編集超人を目指して挫折して編集妖怪になる可能性もなきにしもあらずだけどそれはそれでケイオツです。（総合司会・坂下 浩康）