青木 裕 & Lambretta TV175-2(2010 1002) |

Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?

最初に興味を持ったのは、友人が族に入ったから。
スクーターに乗るキッカケは高校時代、『POPEYE』で見た「東京mods」の写真です。
★ 2 ★
友達に会えたこと。
★ 3 ★
極度の日焼けをしたこと。
そして極度の日焼けを繰り返してること。
★ ★ ★
青木さんの声はちょっと山田 辰夫がかった迫力がある。
青木さんはそんなこと言われたことないと思うけど僕にはそう聞こえていた。
ランブレッタとの写真を撮らせてください。
とお願いすると、電話越しにこう言われた。
「土に還りそうなヤツだけどいいの?」
むむ。むむむむ! いいんです!(先日、山手通りで信号待ちをしている博多 大吉を目撃しました←そっちじゃないほうだろ)
うむ、見たい。
ランブレッタがどれだけ土に還ろうとしているのかこの目で確かめたい。
約束より30分早く着いてしまったのでティッシュを買おうと近くのドンキに行ったところまだ開店前で「え? 東京のドンキは24時間じゃないの?」と思いつつ、待ち合わせ場所に戻ると10時ジャストに青木さんがやってきた。
約16年に渡って乗り倒されたランブレッタは、ホントに土に還りそうな気配をぶんぶんに発しているが、とても正しい。
物理的に正しい。
生き物として正しい。
だからキレイだなあ、と思った。
ヨゴレじゃなくて「ヤレ」の美。
「ヤレた感じ」じゃなくて真性のヤレ。
ヤレ美である。
もしもこの世に「ヤレ美術大学」があったら、君はヤレ美と呼ぶだろう。
そして青木さんがちょっと山田 辰夫がかった声をしているからってわけじゃないけど、これは『狂い咲きサンダーロード2』(石井 聰亙監督が新作で撮ってくれたらいいのになあ、と僕が思い続けている架空の映画。もちろんエキストラの募集があったら即応募)に出て欲しい1台だ、と思った。
「調子がいいと900なんて軽くいっちゃうねえ」(900は900ml。軽くいっちゃうのは芋焼酎)
なんて酒の話をしつつ、ふと見ると。
メーターにカバーが付いている。
しかも目隠しというか、メーターの針がまったく見えていない。
もしやこれはメーターをメーターとして機能させないためのパーツなのか、しかもイタリア製の。
と思いきや、それはれっきとしたメーターカバーだった。
というかメーターカバーの成れの果てだった。
長年積み重なった日焼けで、カバーが丸ごとホットケーキみたいな色に変色していたのである。
丸くて、ちょっとふっくらしているその姿はカスタードが入ってそうな洋菓子っぽい。
これは紅茶が似合うメーターだ。
現行車がマイナーチェンジして発表される。
どこが変わったの?
燃焼室の形状を見直しました。
中低速のトルクをアップしました。
つまりエンジンが熟成されました。
とか僕も、これしか書くことないじゃんとか言いながらよく書いたけど、そんなことを書いていた昔の僕に言いたい。
青木さんのランブレッタを見ろ!
熟している。
熟して落ちそうな柿みたいにセクシー。
「バイクの熟成」とは、これだ。


