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「それ用じゃない」
元店舗ライフのチャームポイントはそこにある。
そもそもバイクを置いたりイジったりするなんて全然考えられてなかった場所。
そこで、バイクとともに暮らす。
これは言っちゃえば、そもそも野球するために作った後楽園球場で永ちゃんがコンサートをするようなものなのだ。
ということで、元店舗査察ライヴへようこそどうもいらっしゃいどうも!(チャンエイ調)
今回はアリエル池田さん(
http://youWbike.exblog.jp/13246846/)の元乾物屋編です。
前回のZリュウスケ君(
http://youWbike.exblog.jp/13575887/)のこともあり、池田さんは「ウチ、サソリとかいないけどいいの?」と遠慮がちだったのだが、査察対象の選考基準はサソリを飼ってるか飼ってないかじゃないんで問題なし。
6月末。
インテリアデザイナーとして忙しい池田さんから「今日の午後なら空いてます」というメールをもらい、急遽、都内某所の池田邸に向かうことになった。
都内某駅の改札を出る。
アリエルとの写真を撮りにきたのは3ヶ月前。
いや〜、覚えてるもんだね。
と言いたいところなのだが、すでに池田邸までの道のりの記憶が結構薄くなっていることに改札を出てから気づいた査察員(1人)は、地図をプリントアウトしてこなかったことを後悔しつつ、分かりやすい、大きい通りから行けば思い出すだろうと歩き出した。
正解だった。
バス停にジャージにサンダル履きのターザン後藤がいたのである!
正確には通り過ぎてから「あ、後藤後藤」って思い出したんだけど。
って話を池田さんにしたら尋常じゃない喰いつきを見せたのだが、以下、まったくプロレス臭のない査察結果をご覧ください。
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1927年製のARIEL MODEL Cと1942年製のNORTON 16Hという度が過ぎる絶版車を所有。度が過ぎ界では、1915〜1930年までに作られたバイクを「ヴィンテージ」、1905〜1914年までに作られたバイクを「ベテラン」、1904年までに作られたバイクを「パイオニア」、30年以降の戦前車両は「ポスト・ヴィンテージ」と呼ぶそうです。珍しく勉強になっただろ(命令)

1971年製のFIAT 500。査察員は輪郭でミニクーパーだと思っていたので驚いた次第(自分の無知識ぶりに)

「もうちょっと充実させたい」という工具エリア。


バイクエリアから一転、こちらはオフィス。インテリアの数々は「10年前の独立時にイキガッて買った」とのこと。奥はイプシロン・チェア、手前はイームズのアームシェルチェア(当時物)

壁掛けパネル「ウーテン・シロ」の復刻版。だそうです。

ニューヨーク近代美術館の永久展示品でもある「ボビー・ワゴン」の復刻版。だそうです。だそうですとしか言いようがないんです。

このあたりのカラーリングはスナップオンが軸なのかなと。


工具チェストの上にはプリンターがどーん。というか収まりよすぎなセッティングはさすがインテリアデザイナー。

引き出しの中には充実の工具群がみっちり……と思いきや工具はゼロ。まさかこげな使われ方をされるとはスナップオン本社の営業本部長(面識ゼロ)も思っていなかっただろう。でも確かに印刷用紙とか入れるにはドンピシャかもしれない。

こっちもプリンターだろうか。いろんなサイズの紙があるところがいかにもプロっぽいですね←プロだろ

巨大扇風機とガソリンスタンドで使われていたエッソ君の間にも引退して断髪式を待つばかりって感じのプリンターがある。


棚はインテリア関係のカタログが占拠。

と見せかけて下段はレコードが占拠。

この並び。イメージとしては東西の横綱土俵入りだろうか。


「ざっくりでいいんで池田さんが好きなレコード選んでくださいよ」と頼んだところ選ばれたのがこの4枚。気楽に頼んだのにモノすっごく一生懸命選んでくれたので査察員は恐縮したのであった。

お宝といえば先輩から買ったこの1枚。池田さんはピート・タウンゼントのサインが本物だと信じている。

「これは俺しか持ってないだろう」というシングルレコード。このボビー・バード氏はジェームス・ブラウンのバックで歌っていた人らしいがこのイラストだとダン池田にしか見えない。

復刻版の英車ポスター。

お宝ケースにはハーレーのキャブとかイチジク浣腸みたいなカタチの人形などが収められている。

お宝箱にはカーバッジ。

ビバンダム君も相当な年代物なんだろうと思いきや単なるヤニ焼けだった。


インテリアのプロ・池田さんから見ても「今どきないです、これは」という昭和な壁紙なのだが、大家さんが「いじるな」的なのでそのまま流用。

出窓でも小窓でもない不思議なカタチの窓はウインドウショッピング用だったと思われる。

非常に分かりにくいというかこの写真を見て「あ、ホントだ!」ってなる人はいないと思うのだが、池田邸は道路に向かって微妙な傾斜がつけられている。これは店舗の床を水洗いした時のことを考えての仕様じゃないかと思われる。
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元店舗ライフ前の池田さんはワンルームマンション住まい。
クルマ用の駐車場は確保した。
あとはバイク用のコンテナガレージか。
ってとこで最寄り駅のコンテナに空きがないことが判明。
借りられたのは2駅離れた物件だったのだが、真夜中になると結局タクシーで帰らなくちゃいけない。
そこに理不尽というか不経済というか、早い話が「クルマもバイクもまとめて収容できる場所があればこんな面倒くさいことしなくていいのに!」を感じた池田さんは、独立のタイミングでガレージ付きの物件を探し出した。
東京都内は譲れない条件。
ネットで探るうち「古い店舗でつぶれたところが安い」という噂を耳にする。
半年後、奥さんが見つけてきたのがココだった。
そして池田さんは、この元店舗で度が過ぎる愛車をイジったり、度が過ぎ仲間とダベったり、仕事したり、『ライトニング』の取材で笑うまで何100枚も写真を撮られたりしながら今に至るのだった。
池田さんのブログでーす(
http://jellyroll.exblog.jp/)


