堤 裕也 & kawasaki ZEPHYR KAI(2010 0720) |
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
仮面ライダーでしょうか。
キッカケはたくさんありますね。
小学生の頃に読んだ『ワイルド7』も大きな影響を受けました。
飛葉ちゃんが乗ってたCB750は本当にカッチョ良かったです。
40年も前のマンガですが、父親が子供の頃に読んでた初版物が家にあったんです。
その他だとベタにバリバリ伝説とか、あいつとララバイとか。
読んだバイクマンガはたくさんありますよ。
特攻の拓、湘南純愛組、GTO等々とにかくたくさん。
でも一番はやっぱり父親だと思います。
父親も学生の頃、Z2やGT380、CB750等に乗っていたらしく、特にZ2とGT380の写真は本当にカッコ良かったですね。
GT380なんてセパハンが付いていて、メーターがグンッと上がっていてカフェレーサーな雰囲気満点でした。
今でも作業してる時など、的確なアドバイスをくれるので助かっています。
★ 2 ★
浜松に日帰りツーリングに行った時の帰りの東名高速でミラーに映った、夕日を浴びてる富士山を見た時です。
本当にキレイで最高でした。
あと、自分の一番好きな雑誌でもある『ZEPPAN BIEKS』の取材を受けたこと。
外装を頑張って作った苦労が報われた気がします。
バイクを通じて友人が増えたことも本当にうれしいし、最高ですよ!
友人といっても皆さん弟、もしくは息子って感じなのでとても良くしていただいて、本当にいつもいつも感謝ですね。
この場を借りて「いつもありがとうございます」 と言いたいです。
★ 3 ★
やっぱり事故ですね。
あとは念願のセパハンを取り付けた後、友人と中華街にご飯食べに行く途中に信号無視のおじいちゃんに突っ込んだり。
タンクぐちゃぐちゃだしフレーム曲がるし、中華食べに行けないしで最悪でした。
地味なのだとタンクにボルト落としたりとか。
★ ★ ★
「実家はショップをやっています」
って聞いたらバイク屋さんだと思うじゃん、流れで。
ってことはツツミ君はバイク屋さんの跡取り息子。
今は頑固な昭和の職人的なお父さんにスパナとか灰皿とか投げつけられながらメカニックの修行中。
とか思うじゃん。
住所だとココだよね……?
並びにはスクーターが置いてあるバイク屋さんらしきところもあるのだが、違う。
ココだよなあ……。
事務所とおぼしきところに置かれた『マッハGo Go Go』の主人公のパネルはまだ流れで分かるとしても、ガレージ内には怪獣ブースカ、バリ島で売ってそうなハスの葉っぱの傘をさした木製のカエル、R2-D2等の人形、それも全部が身長60センチくらいで気軽に置くには大きすぎな人形が大勢ひしめき合っているのである。
どう見てもこれはひしめきすぎ合いすぎだ。
つかバイクが1台もない。
なななな、何屋さん?
がさばるサイズのものだけ集めた珍奇なフィギュア専門店か?
不審に思っているとツツミ君が出てきた。
『オイルガレージ・キャノピー』
ツツミ君の実家はオイル専門店だった。
なんと!
オンリーオイルまたはオイルオンリー!
そげな専門店がこの世に存在していたとは!
確かに見たことがないパッケージの外国製オイルが並んでいる。
たぶん度が過ぎる絶版車(クルマ)に乗ってる人なんかがコダワリのオイルを入れに来るんだろう。
「バイクはこっちです」
シャッターを上げると、そこにはビモータがあった。
KZ900鈴村君(http://youwbike.exblog.jp/12035716/)による紹介メールには、「かなりマニアックな感じです」としか書かれていなかった。
撮影の段取りでメールをヤリトリしていた時、僕はツツミ君が何に乗っているのかも実家のショップの名前も聞かなかった。
そのほうが面白いかと思って。
でもなんとなくツツミ君のバイクはハーレーな気がしていたのだが、まったく考えてもいなかったビモータだったので、わお。
って一瞬なったけどそれはゼファーだった。
しかしそんなことは問題じゃない。
問題なのは、タンクからシートカウルからなにからの外装一式をツツミ君が自分で作っちゃってるということである。
なななな、何者なのか堤 裕也!(21歳 独身)
ツツミ君はカーデザインの学校に通っている。
四輪部門と二輪部門。
もちろんツツミ君は二輪部門で勉強している。
四輪部門はそこそこの人数がいるらしいのだが、二輪はツツミ君をリーダーとする6人が在籍。
1クラス40人くらいの昭和の小学校の「1班」って感じだが、その6人に対して某社から「某バイクのデザインを考えてみてください」的なオファーがあったりするという将来有望すぎなデザイナーのタマゴ部隊なのだ。
「急に午後から学校行かなくちゃいけなくなっちゃいました」
撮影が終わるとツツミ君は学校に向かった。
通学には片道2時間。
21歳の夏は、某バイクのデザインを考えたり、造形したりすることで終わってしまうかもしれない。
でも、青春のひと夏を捧げてもいいくらい、というか「捧げろ!」と言いたくなるような、それはそれは刺激的なステージにツツミ君は今、立っている。
いつか、ツツミ君がデザインに参加してクレイモデルを作り上げたバイクが市販車となって発表されて試乗会があって雑誌で特集が組まれてその中の後半。そうねえ。インプレ4ページ、マシン詳解4ページの後で「開発ストーリー」的に展開するページのどっかにデザイナーとして登場する日が待ち遠しいのである。