小林 有矢 & TRIUMPH T120R(2010 0518) |
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
ハッキリとした影響みたいなものは特にないんです。
19の時にクルマの免許取ろうと思ったんですが、ふと「このままクルマの免許取ったらバイクってヤツに俺は一生乗ることはないな」って思って、自動二輪の免許をいつの間にか申し込んでました。
それがここまでのめり込むことになるとは……。
ほとんど影響されてませんが、しいて具体的に挙げるなら『仮面ライダー』と『特攻の拓』かな。
★ 2 ★
空いてる峠道、高速を飛ばしてる時は最高ですね。
でもトラに乗ってからは下道でチンタラ走ってても気持ち良くって、たまにサイコーって叫んでます。
★ 3 ★
トラに乗る前は調子に乗って飛ばして、よく転んだり事故ってました。
でもすべて自分の未熟さからくる自業自得で、後になってみるとそれも含めて楽しいので最悪とは思わないです。
トラに乗ってからはスゲー気をつけてるんで転んだり事故ることはなくなりましたが、やはり以前より突発的な故障、手間のかかるトラブルは多いです。
それもまた普段のメンテ不足からくる自業自得だし、その辛さも含めて楽しいんで気になりません。
★ ★ ★
小高い丘の上にある。
窓の外に広がる緑色の芝生。
窓は観音開き。
窓枠は白。
床はウッドデッキみたいな感じで、ところどころ木目じゃななくて模様みたいに見えるのは床に落ちてこびりついた絵の具。
ってー感じ。
あとベレー帽。
それが僕のアトリエ感。
手塚 治虫がちょっと入ってる。
「都内から郊外のアトリエに通う芸術家」
トライアンフに乗る寺嶋さん(VOL.23を見てね)は、小林君のことをそう紹介してくれた。
「少し時間を遅らせてもらえませんか?」
小林君から電話があった。
「ガソリンが漏れてるんで直してます」
「アトリエで?」
「アトリエで」
どんなアトリエなんだろう?
金属造形作家。
小林君は、鉄の芸術家だった。
そこは、僕のチャラいアトリエ感を全否定するような鉄工所感にあふれている。
溶接用の鉄仮面。
大から特大までラインナップされた金槌の群れ。
窓際にはいろんなカタチのボンベが並んでいる。
not ベレー帽。
汗。
ここは汗をかく男のアトリエだ。
鉄と火と肉体がぶつかり合う、男のォ仕事場サ〜(北島調)
作業場の入り口にある事務所的な小部屋に上がって2人でタバコを吸った。
小林君は2人の仲間と共同でこのアトリエを借りている。
流しの手前に作られた棚に、たたむでもなく「脱ぐなり放り投げました」って感じで作業着が山盛りになっているのが野郎っぽい。
「麦茶飲みますか?」
小林君はテーブルの上に置かれた麦茶をぬるいまま、氷を入れるわけでもなくザックリとコップに注いでくれた。
それがまた野郎っぽい。
なんだろうこのラグビー部の部室にいるような感じは。
ガソリン漏れが直ったトライアンフと近くの公園に移動した。
もう夕方4時近い。
部活は終わりだ。
朝から修理に時間を費やしてしまい、直ったところで僕が現れた。
「速く走ってもゆっくり走っても面白いって、スゴくないすか?」
小林君はトラへのアツい惚れ込みぶりを僕の心に溶接し、「今日はこのまま帰ります」と去っていった。
つまり僕は完全に「金属造形作家・小林 有矢」の創作活動の邪魔をしてしまったわけである。
開けっぷりのいい小林君の背中を僕はジェラシーの目で見つめていた。
だって小林君って実家が両国にあるんだよ!
★ ★ ★
スゴ技を駆使しまくる金属造形作家・小林君のすべて(たぶん)はホームページを見よ!
『Metal Hammering Artist 〜鍛金家 小林有矢〜』(http://yuyakobayashi.smoolis.com/)