君はバイクに乗るだろう VOL.26 |

その回りを、アリーナでライヴやるようなアーティストのツアートラック的なサイズの真っ白いトラックが、タイヤをキュンキュン鳴らしまくりながら猛スピードで旋回している。
「今からスタントショーをやるから見てろ」
リーゼントの男に言われて僕はベンチに座っていた。
男はZ2を空吹かししながらトラックを目で追っている。
1つ目2つ目3つ目のコーナーを曲がってからの直線。
4つ目のコーナーにトラックが差し掛かると、男とZ2は猛然とダッシュした。
男とZ2はそのままトラックの横っ腹に突っ込んで、向こう側に飛び出した。
戻ってきた男は「もう1回」って人差し指を立てると、同じようにトラックに突っ込んで同じように飛び出した。
男はまた戻ってきて、「それって何がスゴいのかなあ」という顔をしている僕に解説を始めた。
いいか。
1回目はZ2で突っ込んだだろ。
実は突っ込んだ瞬間、積んであったMK2にソッコーで乗り換えて飛び出したんだ。
2回目はMK2で突っ込んでマッハに乗り換えたのさ。
男はそーとー得意げだ。
でも僕は、「うっそー! まさか!」といったリアクションをするでもなくマッハを見つめていた。
ノーマルの上と下に1つずつ、合計3連テールランプになっている後ろ姿が、気になってしょうがなかったから。
レディース & ジェントルメン & ザス!
いつも。
ときどき。
今日初めて。
すべてひっくるめて、読んでいただきありがとうございます。
バイクの夢を見るよりも、バイクで夢を見ようぜ、へヘイ、ヘイ。
(総合司会・坂下 浩康)




