藤嶋 和宏 & YAMAHA TDR250(2009 1213) |


Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?

★ 1 ★
小学生の頃、近所で見たVMAXが、スタートでアッという間に点になって消えていったのを見て。
★ 2 ★
毎年やってる地元でのツーリング。
その帰り道、トンネルを抜けて函館山が見えた時。
★ 3 ★
花見の後、酔っ払って自分でストロークアップしたSRのエンジンを掛けたら、オイルフィルターカバーとクランクケースのボルトがちゃんと締まっていなかったらしくてオイルが吹き出した時。
自分でイジるとすぐ乗りたくなるんでバイクで行っちゃったんですけど、オイルの後始末で酔いが一気に醒めました。
★ ★ ★
走った帰り道に函館山が見える。
っことでお分かりのように、藤嶋君の地元は北海道の函館だ。
チョ〜いいトコじゃん。
僕が初めて函館に行ったのは中学校の修学旅行。
添乗員さんだか青函連絡船の手配をしてくれた旅行代理店の人だったか忘れてしまったのだが、連絡船の上で、僕は先代若乃花(当時は二子山親方)にあまりによく似たオジさんを発見した。
「もしかして」と思って聞いてみたら、なんとその方は若乃花の実のお兄さんだというではないか!
俺の目はごまかせないぜ。
ごまかすつもりは毛頭なかったと思われるが。
若乃花のお兄ちゃんゲット!
いや、ゲットなんて言葉、当時は誰も使ってなかった。
三陸の観光地の遊覧船レベルではないちゃんとしたでっかい船に乗るのがその時初めてだった僕は、乗った瞬間から必要以上に船酔いに対してビビっていたのだがそれも吹っ飛び、思わず馴れ馴れしく肩を組んで記念写真を撮らせてもらったことが忘れられない。
2度目の函館は、それからずいぶん後のこと。
バイク雑誌の取材だった。
「飛行機でバイクを運んで夏の北海道を満喫しましょう」的なタイアップ企画。
道内を走り、真っ直ぐな道だの海産物だのの写真を撮る。
シーズン前に打たなくては意味がないアオリ企画なので、当然取材は前倒しで行われる。
5月の北海道は、予想以上に寒かった。
そんな中でTシャツになったり、暑くてたまんねえぜ的にペットボトルの水を頭からかぶったり、夏を満喫しているミツバチ族(呼んだことも呼ばれたこともないけど)のフリをしながら走り回る。
函館は夜景メインだったので早めにホテルに入り、夜から撮影に出ることにした。
まだ夕暮れ前。
街を散歩すると海産物系の居酒屋と同じくらい目についたのが女子高生だった。
やたら女子高生が多い街。
セーラー服と海産物。
カイ……カン。
いいトコだ。
もしかしたらたまたまどっかから来てた修学旅行生だったかもしれないけど。
やがて太陽が沈んだので、夜景を撮りに函館山に向かった。
夜のミツバチ族。
僕の針と君の蜜。
それにしてもいいトコだ。
藤嶋君のTDRはバイク屋さんでメカニックをやっているお兄ちゃんの作品。
お兄ちゃんのことを「あの人」っていうのが、その距離感というか力関係というかお兄ちゃんの人となりというかが垣間見えて面白かったのだが、フロントマスクだけは藤嶋君本人による自家ペイントである。
ツヤ消しのつもりだったらしいのだが仕上がりはツヤ無しって感じになっていて、審査員としては「ちょっと惜しい」とコメントせざるを得なかったのであるが、実は藤嶋君、TDR以外にも数台のバイクを持っている。
保管場所はガレージでも駐輪場でもない。
実家である。
メインはHarley-Davidson FXDL。
なのでTDRはセカンドマシンというか別荘バイクだ。
僕も田舎生まれなので「ふるさとがあっていいね」なんてよく言われるんだけど、「地元には地元を走る用、それも北海道を走る用のバイクがある」って藤嶋君のバイクライフ・スタイルはそーとーいい。
ふるさとと、ふるさとを走る用のバイクがあって、いいね。
