大塚 翼 & TRIUMPH 3TA(2009 1209) |


Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?

★ 1 ★
Johnny StuartのROCKERSの写真集。
6歳の時から親に連れられてオフロードコースを走っていたこと。
ライダースジャケット。
★ 2 ★
町中を走ってるとみんなが見てくること。
★ 3 ★
乗り始めの頃。
前に乗ってたバイクで、赤信号で停止したら後ろからクルマに追突されたんです。
出てきた運転手に「すいませんでした! 大丈夫ですか!?」って言われたんですけど状況がつかめなかった。
で、思わず「大丈夫ですよ」って言ってしまったんですけど、あとで見たらフェンダーが折れてました。
★ ★ ★
僕は今、大学の構内にいる。
ここが母校でたまたま近くまできたから懐かしくなって立ち寄ったわけではない。
まったく見ず知らずの学び舎。
授業中なんだろう。
構内に置かれたベンチには誰もいない。
静まり返った構内。
ゴミ袋を持った清掃員のオジさんが、ベンチ脇に置かれた灰皿から吸い殻を回収して歩いている。
どこ行っても禁煙禁煙うるさい今日この頃。
この灰皿設置率の高さは「禁煙なんて知ったこっちゃね〜よ〜」的で頼もしい。
でもタバコを吸っている時に回ってこられると「早く吸い終われ」的なプレッシャーを感じてしまうので、ひとまず卒業生のフリをして待機する。
どっからどう見ても現役生じゃない自覚はあるので、なんか言われた時の言い訳が必要だ。
「甥っ子と待ち合わせしてるんです」
ツバサ君、ハタチ。俺、42。
設定的に無理はない。
これでいこう。
と、校舎を見ると、3104号室という紫の照明が赤に変わったら誰も見たことのないダンスを踊らなくちゃいけなさげな教室を発見したので携帯で写真を撮ってメールしたりしているうちに授業は終わったようである。
そろそろ甥っ子も出てくるハズだ。
学生の群れ。
ちょっと前、水道橋をうろついていたら大学の前を通りかかり、同じように授業明けの学生達がわんさか出てくるシーンに遭遇した時は、野郎の6割くらいがポルノグラフィティみたいな髪型と似たようなカッコで面白くもなんともなかったのだが、この大学の学生達はオリジナリティあふれまくっていて見ていて飽きない。
男子なのに女子っぽかったり。
女子なのに男子っぽかったり。
いろんな髪型、いろんな髪の色、いろんな帽子。
これなら日本は大丈夫だ。
ツバサ君は服飾関係の大学に通っている。
1着の服が出来上がるまでには、デザイナーとかパタンナーとか縫製工場の職人とかが関わっていると思われるのだが、ツバサ君は生地について勉強している。
つまり「タマゴ」だ。
未来の日本のファッション業界を支えるタマゴである。
タマゴっていいよね。
俺もタマゴ呼ばわりされたい。
通学には片道1時間かかる。
年式的に付いていなくてもオッケーなのに付いてるウインカーは、お父さんからの「付いてないとイカン!」という指令によるもの。
いいお守りじゃないか、機能的にも。
バイク歴は2年。
まだ白バイに捕まったことはない。
トライアンフに乗り出したのは、ほんの1ヶ月半前から。
つまり「タマゴ」だった。
ほんの1ヶ月半前までのツバサ君は、トライアンフ野郎のタマゴだった。
でも、もうツバサ君はタマゴじゃない。
飛べるんだ。
