「男カワサキ」って、誰が言い始めたのか!? |

ぶつけたというより、丸投げです。
つまり、歳末助け合いというより一方的に(not 一方亭←2、3人向け)助けていただいているわけですが、毒蛇が美女の足元をつたって上がってって急所に牙をオッ立てて仕留めるような執拗な特捜に定評がある先輩のことです。
必ずや、ブランコで急降下する時にきんたまがスーッとするような答えを導き出してくれると思いま〜す。
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「男カワサキ」って言い出したのは誰かですって?
答えは簡単、「解かりません」
だってね「オレが最初に言った!」と言えば、確かめようがないもんで……。
あっ、そうか、ということは「オレだ!」と言っちゃえばいいんだ。
もちろん証拠はないけれど、嘘だと証明する証拠もないことだし。
では、決定。
言い出したのは私です。
もうカンベンしてください。
年末進行でグダグダなんです。
大不況の出版業界は、次から次へと別冊を送り出し自転車のごとくこぎ続けないと倒れちゃう本物の自転車操業なんです。
バイク業界なのに自転車操業、ぷぷっ、ダメだこりゃ。
と笑ってる場合じゃないんです。
だからこれでカンベンしてください。
と本気で思いましたが、某ちゃんねるでボコボコに叩かれるのも困るので、いつ頃から言われ始めたのかを推測してみました。
あくまで推測。推測は楽ですからね。
「〜だろう」「〜だと思われる」「〜のような気がする」でOKですから。
以下、事実を交えた推測であります。
その昔(1960年代以前)
バイクに乗る女性はほぼ皆無でしたから、バイクに「男」という枕詞を付ける必要はありませんでした。
女性がバイクに進出する第一歩となったのは1958年に登場したスーパーカブ。
従来のバイク=油臭い、機械むきだし、操作めんどくさい or 難しい、壊れるという負のイメージ(バイク好きにとってはこれが良かったりしますけど)をすべて払拭してしまったのです。
当時スーパーカブは、バイクではなくスーパーカブという新しい乗り物と認知されたのです(そのあたりの未だかつて語られたことのない新事情は、ミスター・バイク1、2月号にどーんと出ていますので、興味のある方はご一読を)
ですから、スーパーカブ以外のバイクはまだまだ男の乗り物でした。
スーパーカブが切り開いた女バイク道を拡大したのが、1976年に誕生したロードパルです。
自転車感覚の44kgという軽さと安さ(59,800円)に、ゼンマイ式のセルスターター(ギコギコとレバーを踏んでゼンマイを巻いてボタンでエンジンを始動するセル)はスーパーカブ以上にとっつきやすかったのです。
ホンダのすごいところは、安っぽさを出さないようイメージキャラクターに往年の大女優ソフィア・ローレンを起用し、イメージを簡素に伝えるため「ラッタッタ〜」というキャッチコピーを付けたこと。
ことあるごとに「私は安い女じゃないわよ!」と叫ぶ女性心理を上手く突いた好例と言えるでしょう。
近年、安さを全面に打ち出した「チョイノリ」がブレークしなかった理由がよくわかります。
ユニクロだって安さを前面に出してないでしょ?
ためになったねぇ〜。
バイクに触ったことすらなかったソフィア(ローレンって言ったほうがいいの?)が、実際に乗って「私でも乗れます」とやったテレビコマーシャルや、若奥様相手に全国各地で原付免許取得と乗り方の講習会を開催する大キャンペーンを実施して大ヒットとなりました。
このブームをさらに加速させたのが翌1977年に登場したヤマハパッソル。
ステップスルー(両足を床に揃えて乗れる)のパッソルは、大御所八千草薫をメインキャラに大キャンペーンを実施。
これまたバイクなんぞ触れたこともない薫様(八千草のほうかいいの?)を乗せて「お上品に乗れるバイク」というイメージで、今度はおばちゃん達に爆発的に広がりバイク人口における女性比率は一気に拡大していきます。
パッソルは、なぜかヤンキーボーイ&ガールズ(無論アメリカ人ではない方の)にも愛されます。
「おばちゃん=ヤンキーにヒット」というマーケティング理論では、混沌とした現在、ビジネスヒントになりますがそれはまた別の話。
なんだか「バイクと女性進出について」みたいな話になってきました。
女性といえば今一番の旬は、美しすぎる市議のゆりたんでしょう。
民主党の蓮舫議員もグッと存在感をアップしましたが、福島議員は何をやっても言っても……あれじゃ……ねぇ。
で、1980年代第二次スクーターブーム(第一次はラビットとかが流行った1960年代初頭)はその勢いで大バイクブームへと発展。
挙げ句にHY戦争などという悲惨な戦争へと発展するわけですが、ラブ&ピースは福島さんに任せて話を先に進めます。
このバイクブームは初心者ライダーや女性ライダーの急激な増加現象を生み、「バイク=硬派な男の乗り物」という図式が一気に崩壊します。
「これはベルリンの壁が崩壊する9年も前の出来事でした」(『その時歴史が動いた』の松平定知チックに読んでいただけると幸いです)
国内4メーカーで、特に女性用と謳ったわけではないのですが、結果的に女性に広く門戸を開いた(「も→ま」「を→が」と2文字変えると……)のは、ホンダとヤマハの2大巨頭。
サーキットイメージを押し出したスズキは意外と嫌われていたようですが、原付クラスでは人気がありました。
他の3メーカーがWGPに参戦し、サーキットテクノロジーをフィードバックし、軽量化にやっきになっていたその中で、カワサキには鉄フレーム、空冷エンジンを頑なに守り続けたイメージが強く(実際は1983年に水冷のニンジャを出しているが、あくまでイメージとして)さらに当時(今も)原付を生産せず、大排気量メーカーイメージ(海外向けには小排気量もあったから、あくまでイメージとして)のカワサキが硬派の筆頭格としてフューチャーされ始めるわけです。
さらに「男カワサキ」を強く後押しする出来事が発生します。
1980年代中盤といえば、それまではマニアの聖域であったZ2が、楠みちはる先生のマンガ『あいつとララバイ』や、故・真田哲道氏がプロデュースした古くて新しいカスタム、1986年に月刊化され、中古車と絶版車に陽を当てて大当たりしたバイク雑誌界のモンスター「ミスター・バイクBG」などの影響でブームになり始めた頃でもあり、「Z2=硬派=男=カワサキ」のイメージが強烈鮮烈に明確になったのです。

「男カワサキ」の起源は、このあたりにあると思われます。
で、バイク誌をざっと調べてみたんですが「男カワサキ」ってフレーズ、意外と出てこないんです。
クソ忙しい中、バックナンバーを調べてみましたが、「おおお! 懐かし〜」の連続で一向に進みません。
年末の大掃除中、畳を上げて出てきた昔の新聞を読みふけってフネさん怒られる波平さん状態。
探している時は見つからないものです。
でも時間もないので、北関東なまりで「な〜まってないでしょ〜」と言うことで一部では有名な某誌編集部員AJさんにダメ元で尋ねました。
「そ〜んなのオレにき〜まってるでし〜ょ」
というわけで、と、いうことに決定します。
念のため「いすゞジェミニZZのカタログコピーはオレが作った」(自称)が唯一の自慢であるフリーライターのABさんにも聞いてみました。
「男カワサキFXというタイトルはオレが作った」
以上、信じるか信じないかは貴方の自由ですが、やたらと長いだけでたいしてためにならない推測、最後までご精読ありがとうございました。



このテーマを象徴するようです。
いや、漢はカワサキ(若しくは日野自動車)でイイんですけどね。
推測は9割当たってると思います。