菅原 淳 & Lambretta GP200(20091106) |
というと文字数的にはマツジュン&ムラジュンばりにスガジュンと呼ばれてもいいと思うのだが、菅原君はスガジュンではなくジャイアンと呼ばれ続けて13年。
世の中には男のみならず女でもジャイアン呼ばわりされている人がいると思うのだが、「ランブレッタに乗っててジャイアン」なのはたぶん菅原君だけだろう。
ってことでジャイアン君に3つの質問で〜す。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。
周りでバイクに乗ってる先輩がカッコ良くて。
やっぱり男だったら、ロックだったら、バイクだろうと。
★ 2 ★
長距離走ってヘトヘトで帰ってきてからのビールが最高に美味いこと。
★ 3 ★
バイクで遊びに行くと飲めないこと。
それと壊れた時はやっぱり最悪。
なかなかエンジンが掛からず、押しがけで何回もダッシュしてる時とかも。
★ ★ ★
バイクって、「人に見られたくない瞬間」がクルマの比じゃないくらいあるよね。
エンスト、立ちゴケ。
ギア抜けでアクセルがワオーンとか。
「ほんじゃねー」ってカッコつけて帰ろうとしてUターンしたらグラッとか、トラックの横を余裕でスリ抜けしてみせようとしたらガードレールに当たってグラッとかズリッとかガクッとか。
「なかなかエンジンが掛からず、押しがけで何回もダッシュしてる時」とかも、見られたくない瞬間ベスト10に入るだろう。
ガス欠やエンジントラブル等による泣く泣くの押しとは違い、押しがけには躍動感がある。
一発で決まれば儀式的なカッコ良さもある。
しかし、何回も何回もなーんかいもバイクを押してダッシュし続けるハメになるとそれはほとんど罰ゲームである。
回数に比例して長くなるインターバル。
それに伴うゼエゼエ。
そして気を取り直しての再ダッシュ。
ダッシュ & ゼエゼエ。
これはやっぱり見られたくない。
「クキュキュッ」
タイヤがロックした。
「バオボッ……ゴ……スン……」
今にも掛かると見せかけて掛からない。
目の前で、ジャイアン君が最悪を更新している。
坂道を探して、登って降りて、また登る。
ダッシュ & ゼエゼエ。
閑静な住宅街にブーツの音だけが響いてるゼエ。
その少し前。
「ZXRのナナハン?」
ジャイアン君がランブレッタの前に乗っていたのは、一昔前のカワサキのスパルタンバイクだった。
意外だね。
とも思ったのだが、納車後の走り初めからエンジントラブルで動かなくなったというジャイアン君のランブレッタ略してジャイランもある意味スパルタンなので、そういうことか、とも思った。
ランブレッタに乗り出して4ヶ月。
しかし依然としてZXRは手元に残っている。
というか、売ろうかどうか悩んでいるようだ。
でもずっとエンジン掛けてないし、バッテリーも上がってるし。
「バイク王、呼べばいいじゃん」
我ながらウルトラ安直なアドバイスだなあ、と思いながら話していると、ジャイアン君の腕にカメムシがとまった。
「なんだこの虫?」と言いながらカメムシを弾き飛ばすジャイアン君。
痛っ! つって。
間違いなくカメムシ怒ったね。
帰り道、ランブレッタのエンジンが掛からなかったのはカメムシの呪いだと僕は思っている。
ときどきいるんだ、そういう妖怪みたいなカメムシ。
カメムシの取扱いには注意したいものである。