藤本 一 & HONDA CB750Four K1(2009 1031) |

普段はCB750Four K0に乗っているという。
ケーゼロ。
マフラーが4本出てるヤツだね。
高いよね。
周りの人が名車名車言ってるから名車なんだろう。
って感じで、僕は輪郭しか知らなかった。
当然乗ったこともなかったので、「どんなバイクなんすか?」と聞いてみた。
すると彼は。
「英国車が世界最高峰に君臨していた時代に終止符を打ち、名実共に日本車が世界のリーダーになるキッカケとなった歴史的名車」
「量産モデルで世界初の4気筒」
「メーカー発表の最高速が200km/hオーバー」
「世界初のディスクブレーキ採用」
といった業務的スペック的プロフィール的なことには一切触れず、「アクセル全開環七フィーバー」時のGUITAR WOLF・セイジさんばりなエアアクセルを空に向かって突き上げながら叫ぶのだった。
「これが日本の4気筒ーーッ!!」
おお!
なんだかよく分かんないけど全部そこに入ってんじゃん!
って感じで今でも僕はこの言葉が好きだ。
そのCB野郎は「藤本さん」という方だった。
その藤本さんとはまったく血縁関係はないであろう藤本 一君に僕から3つの質問で〜す。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

私、自分がなんでバイクが好きなのか、理由が分からないんです。
ロックとバイクは私の中では別々のモノなんです。
でも、もしヒップホップが好きでも私はヨンパツに乗っていたと思います。
地元はクソ田舎だったので、小学生の頃、農道で乗ったDioで30km/h出した時、バイクが好きになったのかもしれません。
★ 2 ★
バイクに乗ってる時は、常にサイコーです!
それと、バイクを介したコミュニケーションが取れた時。
ヤンキーからオジサマまで。
出来れば女の子に声掛けられたいっす。
★ 3 ★
関越でオーバーフロー。
20km/hで走行。
川越ICでやっとこ降りた朝の5時。
走り回ってホンダドリームを発見!
クソ寒くて眠い中、1人で開店待ちをした5時間は二度と味わいたくねぇっす。
★ ★ ★
ついさっきマンションの下でざっくり洗いました感あふれる藤本号。
タンク上の給油口の横あたりに「もう1回乾いたタオルで拭いたほうが良かったのでは?」と言いたくなる汚れが残っているとはいえ美車である。
「停めてるとよく話しかけられるんですよ」
藤本君のCBには、なぜか老若男女の女以外が寄ってくるのだという。
見ると思わず吸い寄せられてしまう、クワガタにとってのクヌギの木の樹液みたいな、大澄賢也にとっての小柳ルミ子みたいな藤本号。
その存在感は、名車というより妖怪に近いかもしれない。
撮影後、その妖力を目の当たりにする出来事に遭遇した。
CBを前に2人でくっちゃべっていると、水色のフリースを着たアゴの割れてないアンタッチャブル山崎みたいな青年(以下:山崎)が「うおーっ! CBじゃないっすかーっ! 写真撮ってもいいっすか!」と叫びながら、赤い自転車で乗りつけてきた。
「いっすよ〜」
藤本君は、いつものこと、って感じで答える。
しかし山崎の喰いつき方は尋常じゃなかった。
あらゆるアングルからねちっこく写真を撮りまくり、各部のパーツに対して1人で解説しつつ5秒に1回「すーげーっ!」と叫んでいる。
山崎はテンションまで山崎そっくりなのだ。
「高円寺でこんなCB見れるなんて!」
藤本君のCBは買ったまんまの状態で、どこのパーツも換えられていない。
「ここまで純正部品で出来てるCB見たことない!」
エンジンもキャブの調整をしてるくらいで1回も開けてない。
「すーげーっ! シリアルナンバー見ていっすか?」
ナンバーを確認した山崎はまた雄叫びを上げた。
「10000番台じゃないっすか! すーーげーーっ!」
そうか。
すごいんだ。
藤本君はCBに乗って3年目。
そのすごさを藤本君も僕も知らなかった。
つか、山崎に教えてもらったのであった。
ありがとう山ちゃん。
からの〜。
