2009年 11月 18日
今井 史 & Lambretta TV175-2(2009 1101) |

ヴィンテージ・スクーターに乗っている人に会うことは少なかった。
あまりに少なかったのである夜。
今井君は駅前に停めてあるベスパの前で、オーナーちゃんが来るまで待ち続けるという半分ストーカーまがいの友達スカウト活動をしたりもした。
このランブレッタに乗り続けて14年。
今はたくさんのランブレッタ仲間がいる。
おお。
どんなヤツら?
サマンサ……ファビアン………サバオ…………。
って、いったい誰なんだ君達は。
中には本名すら分からない友達もいるという。
とか言いながら今井君にもアダ名というかコードネームというかが付いている。
その名も「アイドル」
聞けば「80年代のアイドルっぽいって言われて……」
なるほど河合奈保子的な八重歯。
どうりでスマイル・フォー・ミー。
そんな、いかにも大きな森の小さなお家から来ましたって感じの今井 史君に、僕から3つの質問で〜す。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

高校生の時、買い物に行った代官山で見た東京のmodsの人達。
真夏にスーツ着てました。
『さらば青春の光』(映画)『Vespa file』(雑誌)
★ 2 ★
友達や仲間がたくさんできたことですかね。
いつもお世話になってます。
★ 3 ★
動かなくなって今まで何10Km押して帰ったか分かりませんが、最悪だったのは酔っぱらって乗ってしまったある夜。
家まで30分くらいの帰り道なのに、ふと気がついたら1時間30分くらい走ってて、ギアワイヤーが切れて我に返ったんですけど、どこにいるんだか分からない。
フラフラで直せないし、エンジンも掛からないし、結局半ベソで友達に電話して近くの駅まで迎えに来てもらったことですかね……。
駅までタクシー拾って行ったんですが、タクシーの運ちゃんにどこから乗ったかって20回くらい聞いてました。
止まったところが家と真逆で道も住所も分からなかったんで、スクーター無くしそうになりました。
★ ★ ★
メットを持って電車に乗った。
ヘルメットバッグなんてものは持っていないのでAraiって書いてある紺色の、どっからどう見ても中にメットが入ってますって袋を右肩から下げ、左肩からはカメラバッグを下げて。
邪魔っけだ。
邪魔な上に袋のヒモが細く、肩に食い込んで痛い。
この両肩からの荷物ぶら下げぶりは、我ながらものすごく要領が悪い人っぽい。
撮影は今井君の80年代アイドルばりなスマイル・フォー・ミーをたくさん浴びながら終了した。
お休みなのに、来てくれてありがとう。
僕は今からバイク屋さんに寄って、修理が上がったバイクに乗って帰るよ。
と、両肩から荷物をぶら下げると小さな奇跡が起きた。
「バイク屋さんまで送りますよ!」
大ラッキーである。
環8から東名に登るトコのマックの横で九州までのヒッチハイクに成功したような気分だ、ヒッチハイクしたことないけど。
とにかくものすごく要領が悪そうな人間を目の前にして、愛の手を差し伸べずにはいられなかったのだろう。
迷わず「お願い!」と即答し、タンデムシートにまたがった。
ビリリビリリ。
タンデムとはいえ初めてランブレッタに乗ったけど結構な振動がある。
銭湯的には電気風呂に近いビリビリ感だ。
ビリビリビリ〜。
ステップから、そしてつかまっているキャリアから、エンジンが主張するビリビリが伝わってくる。
曲にするとタイトルは『ランブレッタ・ビリー』って感じだ。
セルフのスタンドに入る。
小物入れからオイルと小さなボトルを取り出して計量し、オイル、ガソリンと順番に注ぎ込んでいく。
今井君にとってはいつものこと。
でも僕にとっては新鮮な1シーンだった。
「上手いもんだなあ」
って、給油に上手いもヘタもないかもしれないけど、上手いんだ。
一つひとつの小さな作業が丁寧で、流れるようで。
ガッチャン、とか、かちゃ、とか。
シートを開けたり小物入れを閉めたりって音も優しい。
目をつぶって聴くと、「中に大切な物が入ってます」って感じの音なのだ。
バイクって、こんな音も出すんだな。
キーには長い革ヒモが付いていてネックレスみたいになっている。
キーを差し込むと、今井君はそのヒモをヘッドライトに回して引っ掛けた。
さすがヴィンテージ・スクーターの世界。
いちいち儀式っぽくていいぜ。
と思ったら、ランブレッタは走ってる最中にキーが抜けて飛んでっちゃうことが多々あるので、その対策なのだという。
勉強になるなあ。
気持ち良く環7を流し、246を右折して駒沢大学駅を過ぎたあたりで「あれ?」って感じになった。
ランブレッタの調子が悪くなったのではない。
何度も行ってるバイク屋さんなのに、僕が場所を勘違いしていたのである。
駒沢過ぎてUターン。
三茶でもう1回Uターン。
プチプチがプチくらいのタンデムツーリングになった。
おかげでランブレッタの面白さがちょっと分かったよ。

by hoya3104
| 2009-11-18 09:47
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