安達 伸吾 & YAMAHA SR400(2009 0921) |

靴下も脱ぐ。
クルマを運転する時は裸足がいい。
距離が長くなればなるほど裸足がいい。
9月。
岩手までクルマで帰省することになった。
ふるさとの街は川崎から660km。
ただ帰るのもなんなんで、仙台に立ち寄ってナイスガイの写真を撮ることにした。
仙台宮城ICで降りて市内に向かう。
軽く迷って安達君がマネージャーをしているセレクトショップを発見。
最寄りの100円パーキングにクルマを停め、カメラを持って、さあ、行くか。
ってトコで、僕は重大な事実に気が付いた。
靴を忘れたのである。
エンジン掛けてから靴と靴下を脱ぐ手間を省くため、家を出る時から裸足にサンダルで来てしまったのだ。
安達君はショップ移転作業の真っ最中だった。
1階、2階。
服、服、服。
服屋さんだから服がたくさんある。
小物類もある。
棚もあればテーブルもある。
2階のBARにはゴージャスなソファセットが何対も……。
店内ではもう1人のスタッフちゃんが動き回っている。
赤井英和の助けも借りず、これを2人で片付けるのか……。
と思うと気が遠くなる肉体労働。
そんな気が遠くなるような作業の真っ最中に、crocsとかオシャレビーサン系なら百歩譲ってまだしも、底が木で出来てて歩くとカン高い拍子木みたいな音がカンカン響き渡るサンダルつーかツッカケでお邪魔して「初めまして。今日はよろしくお願いします」なんて言いづらいなあ。
まったく……俺ときたら(SION調)
ザス!
サーセン!
これには深い理由がありまして……。
会うなり言い訳、陳謝、お詫びして訂正。
「来る店を間違えて入ってきた人だと思いました」
僕の場違いなリゾートスタイル(または銭湯スタイル)をウインドウ越しに見た安達君がそう思ったのも無理はない。
でもひとつだけ言わせてくれ。
サンダルのスッチャカスッチャカ言う音ってホンット緊張感がないし、ちょっと高いトコ登る時に片っぽだけ脱げたりして動きにくいったらありゃしないので撮影には不向きです。
そんなサンダル野郎を「笑うしかねえなあ」って感じで笑って許してくれた安達 伸吾君に3つの質問で〜す。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

幼稚園の頃。
親父の友人がえらく大きなバイクに乗っていて、その背中にしがみ付いていろいろな場所へ連れて行ってもらっていたのが、バイクに興味を持った原点かなあ。
どこへ行ったとかはまったく覚えていないけど、走っている最中に受ける風が、もう、ひたすら、気持ち良かった!
それだけは鮮明に覚えています。
高校生の頃、相方が深夜のヤンチャな集団に属してまして、Z400GPに乗ってたんですね。
「バイク=不良」のイメージでしたから、やっぱり自分も興味があるっていうかちょっと憧れる部分があって、相方のケツにしょっちゅう乗るようになった。
すっかり忘れていた幼稚園の頃のことを思い出したりして懐かしかったですね。
この年頃は感化されやすいですよね。
必然的に自分のバイクに乗りたくなる。
XJRが欲しかったっスねー。
もちろん、親はバイクの免許を取るお金なんか出してくれません。
でも「自分のお金で免許を取る」なんてことは微塵も考えませんでした。
まあ、そんなんじゃ免許取るどころかバイクなんて……。
自分で頑張って免許を取っていれば、今とはまたいろいろと違ってたんでしょうねぇ……。
その後は同級生もクルマにシフトして「乗り物といえばクルマ」
自分も2台乗り継いで、バイクとは疎遠になっていきました。
その頃はBLANKEY JET CITYとCELT&COBRAにどっぷりな時期だったんですが、ひょんなことからCELT&COBRAを「買う側」から「提供する側」になったんです。
それで周りの環境が変わりましたね。
バイク乗りと接する機会が多くなった。
またふつふつとバイク熱が湧き上がってきた。
地元から仙台に引っ越してクルマの必要性もそれほどなくなった。
そして、追い討ちをかけるように友人が免許を取ったんです。
「今しかない!」
思い切ってクルマを手放してバイクの免許を取り、晴れて単車乗りとなりました。
思い出してみるといろいろありましたが、最終的なきっかけはBLANKEY JET CITYとCELT&COBRAなのかなぁ。
★ 2 ★
夜。
1人で走っていたら、後ろにビッタリ張り付いてくるクルマがいる。
ブッチぎろうとしたんですが、どこまでもどこまでも付いてくる。
結局、信号に引っかかって追いつかれた。
クルマは後ろからスルスルッと前に出て、自分の真横に横付けして停車。
そして窓が開き、「な……なんだこのクルマ?」と身構えたら……。
「そのバイク、超カッコいいッスね!」
と言われた瞬間。
思わず普通に「あ、あざーす!」と答えましたが、拍子抜けしたと同時にうれしかったです。
★ 3 ★
夜、仕事が終わった帰宅途中で突然、灯火類が全滅した。
家まではまだまだ遠い。
ここにバイクを置いていくわけにもいかない。
やむを得ず暗闇の中、それはそれはこっそりと帰宅。
ヘッドライトが点いていないので普通に突っ込んでくる右折車はもちろん、テールランプもブレーキランプもウインカーもまったく点かないので後続車にも気を付けつつ、必死で帰りました。
後で調べた結果、原因は配線の腐食。
バッテリーレス&キックだったのがまだ救いです。
★ ★ ★
さすがは往年の世界GPマシン RC166レプリカと言われるだけのことはあるじゃないか空冷並列6気筒DOHC24バルブ。
ただいかんせん、フレームが弱っちい……。
ちゅね。
と、幼稚園児の安達君がタンデムシートで感じたかどうかは不明だが、幼稚園の頃、安達君が乗せられていたのはホンダの6発だった。
お父さんの友達が乗っていたカウル付きのCBX。
幼稚園児にとってじゃなくてもえらく大きなバイクである。
安達君のお父さんもバイクに乗っていた。
CB750Four K0。
でも、その頃お父さんは既にバイクを降りていた。
だから安達君には「親父のナナハン」の思い出がない。
その代わり、「いつか親父とツーリングに行く」という夢がある。
思い出より、夢だろ、夢っ(永瀬正敏調)
ショップの移転も無事完了。
頭にタオルを巻いていないスタイリッシュな安達君が出迎えてくれる杜の都のセレクトショップ&BAR『dElvis』のHPは下記で〜す。
http://delvis-rockers.com/
