神 知博 & SUZUKI GT750(20091004) |

その内装はヒョウ柄だった。
どこどこ、どこの?
「友達に頼まれたんで自分ので試しに作ってみたんです」
え? そんなことが出来るのか君は。
つかヘルメットの内装をカスタムするって、スーツの裏地に刺繍入れるみたいでいいじゃん!
という匠の技を持つ男、神 知博君に、僕から3つの質問で〜す。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

イージーライダー、暴走族、ゴローズにたまってた渋谷のチーマー。
この3つの影響は計り知れません。
そしてロッカーズ、カミナリ族、ヘルズエンジェルスの写真集。
『湘南爆走族』『特攻の拓』などの不良マンガ。
もちろん近くにいる友達や先輩。
★ 2 ★
1番は自分の手を汚して故障を直して走る時!
晴れの海沿い。
山の中。
結局、走ってる時はすべて最高‼
★ 3 ★
通勤の途中でエンジンがイッちゃって真夏の環7を死ぬほど押して帰ったこと。
サイドスタンドをしまい忘れてターンパイクの山頂で吹っ飛んだこと。
★ ★ ★
高尾を目指す!
新鮮だ。
高尾といえば高尾山。
でもって千葉の習志野に住む先輩が、飲み過ぎて終電で寝過ごした挙げ句にホームのベンチで寝た……って言ってたのが高尾駅。
僕は高尾山に登ったことも、高尾駅で始発まで寝たこともないので、高尾を目指して甲州街道を走っているだけで新鮮なのだ。
紅葉前の街路樹。
高尾街道、いい感じだ。
高すぎず低すぎずな山並み。
陣馬街道、いい感じだ。
緑がどんどん大きくなってくる。
そして、白い倉庫の前に、まぶしい緑のGT750。
これから紅く、黄色くなりつつある緑じゃない。
30年以上も前のバイクなのに、その輝きは新緑だ。
しーーーん。
静まり返っている。
「しーーーん」という音が聴こえるほどに静まり返っている。
秋晴れの日曜日の午後なのにちびっ子の声すらしない奇跡的な静けさである。
あたり一面を田んぼに囲まれているわけでもないのに。
ぽつんぽつんどころかそこそこの住宅街なのに。
でも、何か新しいものを生む前に大きく息を吸い込んで止めてるみたいな前向きな静寂だなあ、と思った。
静寂の中、ジン君の仕事場。
倉庫内には巨大な高級外車が3台。
撮影のためクルマを移動させようとジン君がドアを開けると、ぷ〜ん。
革のいい香りが漂ってきた。
ジン君はクルマの内装をオリジナルの革仕様にカスタムする職人である。
革が好きで好きで。
革をイジるのも好きで好きで。
ジン君は、革に導かれてここにいるのだ。
服飾関係の専門学校でみっちり勉強した下地があるので、自分で革ジャンを作れちゃうほどの腕もある。
狂ったように革ジャンを集めていた時期もあった。
「GTが壊れるたびにビンテージ物を売ってパーツ代にしてたんで、今はほとんど無くなっちゃいましたけどね」
手元に残るのは、生まれて初めて大枚はたいたライダース。
仕事先で心を撃ち抜かれ、思わず即買いした1着。
友達からのプレゼント。
そして、自分で作った「作品」
じゃ4着か。
枚数的には僕と大して変わんないじゃん。
と思ったら、今でも17着の革ジャンを持っていた。
ほとんど売って17着って……。
革ジャン屋さんが出来ちゃうね。
実際ジン君は1年後、自身のブランドというか、ジン君の思う「カッコいいモノ」だらけのショップというか、その名も『DONNERSTAG』を立ち上げるべく日々是精進しとります。
革ジャンあり。
バイクあり。
ヘルメット内装カスタムあり。
って感じになったら楽しいねえ。
その孤軍奮闘&すったもんだぶりはブログで開陳されとりま〜す。
http://ameblo.jp/kaminarimc/
