松本信彦 & kawasaki Z750D(20090917) |

どーりでね。
どーりでキレイなわけだよ、納車3ヶ月。
というピカピカのZに乗る松本君は、乗りつけるなり言うのだった。
「なーんかいっつもレンタル中なんですよ、『狂い咲きサンダーロード』が!」
松本君が住んでいる街は、いい街だ。
『狂い咲きサンダーロード』が借りられっぱなしな街が悪い街なわけないだろう。
ということで、撮影後、無事に『狂い咲きサンダーロード』のレンタルに成功。
今や「魔墓狼死サイコー!」と毎日叫んでいる(予想)松本信彦君に、僕から3つの質問でヤ〜ス。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

小さい頃に親父に連れて行ってもらった川口オート。
子供ながら、あの音と環境は凄かった。
あと『湘南爆走族』はマンガも映画も好きです。
江口洋介、織田裕二、どっちもカッコいい!
海沿いを走るのも憧れたなあ。
★ 2 ★
友達と夜中ずっと走った帰り。
荒川にかかる千住新橋から見た朝の何とも言えない色。
キレイだったなー。
もう1回は見たい。
バイクに乗ってる時は普段のことを忘れられるから楽しいですよ。
あと、昔からの友達が電話してきて「バイク乗ってる?」って言ってきた時は、オオオーッって思いました。
★ 3 ★
雪が降る中、なぜかバイクに乗りたくなって走ってたら、友達が働いているガソリンスタンドの前で見事にコケた。
あん時はマジで恥ずかしかった。
原チャリに2ケツでクルマにハネられたこともあったなあ。
こっちは無傷だったけど、ハネたほうはビビったと思う。
★ ★ ★
ん? なにか、匂う。
荒川、千住新橋、川口オート。
匂う。
これはもしや懐かしのアダチ・フレグランスなのでは?
そう。
松本君は生まれも育ちも足立区だ
足立区の土地柄というか区柄はどうかというと、松本君曰く「治安の悪さはピカイチです!」だそうである。
そこがピカイチなのかよ。
なんとなく納得しちゃうけど。
足立区は「単車」のニオイがする。
それは僕が「買って、調子悪くなくてもときどき顔を出して、壊れたら面倒を見てもらう」というカタチで付き合った最初(で最後、かもしれない)のバイク屋さんが足立区にあった。
ってのもある。
お店は首都高を千住新橋で降り、「エヴァ」という下半身の初号機が発進しそうな名前のラブホテルの横を通ってツルッと曲がったところにあった。
車検だ修理だって面倒見てもらって、「出来ましたよ」って電話もらって引き上げに行って、お店の前に僕のバイクが置いてあるのを見るのが好きだった。
「デーン!」って。
デモ車両の展示って感じで。
これぞ「これ見よがし!」って感じで。
そーとーな数の通行人やドライバーに、「おーーっ! あのバイク、カッコいいじゃん!」って思わせちゃったんだろうなあ。
はははは。
これ、僕のバイクなんだよねえ。
単に車検から、修理から上がった、ってだけじゃない喜び(「エヴァ」的には「悦び」)を僕は足立区で知ったのである。
足立区は「単車」のニオイがする。
荒川沿いにあるカスタム屋さんに取材に行って、忘れられない瞬間を見た。
ってのもある。
取材は平日の夕方ちょっと前くらいだった。
いや、取材じゃなくて撮影用にバイクを借りたか返しに行ったかだった気もしてきたが、1人でお店を切り盛りするナイスガイの青年店長と僕はコーヒーかなんか飲んでいた。
するとそこに、ふっつーに。
「今日も」って感じで。
「くるまや」の勝手口からタコ社長が「ヨォ!」って感じで、Z1000Mk2に乗った金髪の青年がブイーンとやってきて、ダベるでもなく二言三言くっちゃべったと思ったら、ガオゴーンとウイリーしながら去っていった。
青年店長は、スッと仕事に戻った。
静と動。
でも2人ともアクセルの開けっぷりがいいというか。
その空気が良かった。
どってことないシーンだけど、今でも覚えている。
それは、僕の中で足立区がカッコいい区になった瞬間だった。
足立区っぽい人っているよね(治安が悪い人って意味じゃなく)。
