2009年 09月 29日
池野優也 & kawasaki W650(20090920) |

クルマのボンネットの上が好きな猫もいれば、バイクのシートの上やエンジンの真下でゴロゴロするのが好きな猫もいる。
水を入れたペットボトルで城壁を築き、猫を見れば、「しゃーっ」と威嚇して徹底的に排除しようとする人もいれば、しゃーねーなーとほっとく人もいる。
ユウヤ君は、猫に対して寛大だ。
毛まみれのタイヤ……。
じゃれたんだね。
ホイールに血が……。
子猫が生まれたんだね。
Wの下に段ボールが敷いてある。
近所のオバちゃんが猫用に置いたんだね。
ユウヤ君のWは、ダイナマイトラッキーキャットのオアシスでもあるのだった。
そんな猫とオバちゃんに人気の池野優也君に、僕から3つの質問で〜す。
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

影響を受けたモノ……ありませんね。
ずっと原付に乗っていたんですけど性能の限界を感じて、バイクかなと。
で、「乗るなら大型バイクだな」ってことで中免、大型を取りました。
★ 2 ★
僕は、高速道路のパーキングとかで見るバイク乗ってる方に対して違和感を感じてたんです。
技術と知識があってバイクはカッコいい。
でも、乗ってる方が全然カッコ良くないと。
その方達と僕とでは、思いや感覚が違うのであくまで批判ではありませんよ。
僕の周りにいる先輩方は、中身も当然ですが、バイクに乗っててもバイクに乗ってなくてもバシッと見た目もキメててめちゃくちゃカッコいい!
僕はここが大事なんです。
というところがバイクに乗り始めてからすごく嬉しかったですし、バイクに乗ってて最高! と今も思っていることです。
ホント尊敬です。
★ 3 ★
大型納車直後。
先輩に連れてってもらった年末の極寒の大雨の高速道路。
すべてが水に流されました。
先輩と友達に連れてってもらった日が暮れた奥多摩の峠。
寒いし、急カーブだらけで前が見えないし。
イジメかと思いました。
★ ★ ★
撮影が終わって2人でお茶を飲んでいると、少し体が不自由なオジイさんが電気自動車でコロコロと走ってきて、Wの前で止まった。
「これは何シーシー?」
「650ccです」
「あー、ホントだ。650って書いてあらぁ」
ユウヤ君とWは、よく話しかけられる。
クルマの運転席から叫ばれたり。
工事現場の作業員に声を掛けられたり。
駐輪場の近くに住むオバちゃんからは、2、3日出掛けて戻ってくると「どこに行ってたの?」なんて言われたり。
「このエンブレムはトライアンフみたいだね」
オジイさんのトークは続いていた。
「メグロはカワサキと一緒になっちゃたんだよね」
「ここもクロームメッキかー」
「ヴィンセントって知ってる?」
多少ネタがナチュラルにリフレインしたりしながらも、オジイさんは話し続ける。
またがる、というか腰掛けるマシンにはSUZUKIのエンブレム。
「これで30万もするんだよ」と言っていたので、おそらくセニアカーのETシリーズだろう。
って、さっきネットで見たんだけど。
ちなみにセニアカーというだけあり、交通安全旗、ステッキホルダー、松葉杖ホルダーといったオプションも用意されている。
ってのもさっきネットで見たんだが。
この日は日曜日。
公園の入り口ではフリーマーケットが開かれていた。
「今、そこで買ってきたんだよ」
オジイさんはカゴに入っていた『VIBES』を取り出した。
「クラッシックなのが好きでさ。これ、結構載ってるんだよ」
うれしそうにパラパラめくっている。
その手が、突然「ビタ」と止まった。
何事だ!?
まさか不測の事態では!?
と、思いきや、そこにはハーレーにまたがった全裸のギャルが微笑んでいた。
「これがいいんだ〜、これこれ。ぐへへへへ」
ひょんな出会い。
そして「俺も昔乗ってたんだよ」から始まるトーク。
バイクに乗っていると、そんなことがたまにある。
ユウヤ君にとっても僕にとっても、80歳は楽勝で越えているであろうこのオジイさんは大大先輩だ。
体が不自由になるような病気で倒れた。
電気自動車にしか乗れない。
でも、忘れられない乗り物としてバイクが体に残っている。
刻まれている。
バイクってすごい。
でもって、電気自動車でもいいから自分で走ることを諦めていないオジイさんもすごい。
コロコロと去っていくオジイさんを見ながら、ユウヤ君が言った。
「あのオジイさんが若い時、バイクに乗ってる写真が見たいなあ」
2台の原付を乗り継いで、W。
寄り道なし。
最短距離で乗りたいバイクをつかみ取ったユウヤ君の言葉は、混じりっ気のない、少年のような気持ち、そのままだ。

by hoya3104
| 2009-09-29 21:17
| 3QUESTIONS
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