門口真樹 & kawasaki Z1-R(20090704) |

Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

高校1年の時に観た『マッドマックス』と『マッドストーン』
外国映画に出てくる悪党が乗っているのはだいたいハーレーと相場が決まっていたけど、極悪な集団が国産バイクを駆って暴れ回る様は圧巻でした。
もちろん、グースのカッコ良さにもシビれましたね。
★ 2 ★
1度だけ、某バイク誌が主催する『Zミーティング』に参加したんです。
道すがら、全国から集まってくるZ乗り達が次々とインターごとに合流してきて、空冷4発の排気音が高速道路を覆い尽くした時は総毛立ちましたね。
通勤路の246で似たようなバイクとバッタリ出会って、抜きつ抜かれつ走りながらお互いの排気音が重なったりすると、これまた最高な気分になります。
そんな時は頭の中で『C.B.Jim』が鳴り響いています。
★ 3 ★
タクシーに意図的に急停車されて突っ込んだ時は、人生で初めて「殺意」を意識しましたね。
真夏の午前11時頃、246の多摩川の橋の上でアクセルワイヤーが切れ、やむを得ず押して歩いた時は「後続車に当てられて死ぬかもしれない……」と思いました。
ある真夜中、マンションの駐輪場でバイクをしまっていたらバランスを崩し、自転車をなぎ倒すカタチでバイクの下敷きになって1時間近く格闘した時は「バイクの熱さと重さで死ぬかもしれない……」と思いました。
免許の更新を1年間キレイに忘れていて、更新に行ったその日に免許取り消しなるという信じられないマヌケなこともありましたね。
仕事が忙しくてなかなか通えなかったので、二俣川での限定解除の再取得には4ヶ月くらいかかりました。
その間、自宅の駐輪場でリヤサスを盗まれるという悲惨な事件もありました。
★ ★ ★
父親の誕生祝い。
家族で囲むバーベキュー。
カルビ、タン塩、ソーセージ。
イカにハマグリ、ホタテ(三陸産)もあるよ。
野菜も食べなくちゃね。
4分の1に分割したトウモロコシ、3分の1に分割したナス、2分の1に分割したピーマン。
かんぱ〜い。
昼間っから飲むビールはサイコ〜!
ってところをウーロン茶かなんかでごまかしてパーティを抜け出した門口さんがやって来た。
輪郭でしか車種を判断できない僕でも分かるバイク。
間違いない。
あの時のZ1-Rだ。
5、6年前。
通勤で246を使っていた僕は、何度か門口さんと遭遇している。
その本人と人づてに巡り会って、今、初対面。
でも、このZ1-Rには見覚えが……。
初めてだけど、久しぶり。
こんなこともあるのか。
「もう10年くらい通勤オンリーですよ」
点検に出せばバッテリーのプラスとマイナスが逆になって戻ってくる。
そのくせ、チェック項目だけはやたら多くて14万円の請求。
分からないことがあっても聞きづらい空気。
違和感を持ちながら付き合っていた悪徳バイク屋は潰れたが、門口さんはZ1-Rに乗り続けてきた。
そして今も、「ほぼ毎晩、90%の確率で夢に出てくる」ほど、Z1-Rのことを愛しているのである。
携帯が鳴った。
「そろそろ、ケーキ食べるみたいなんで」
それはいけない。
早く戻ってハッピーバースデイを歌わなければ。
ロウソクの火が消えた瞬間に拍手をしなければ。
取り分けたケーキの大きさや、イチゴが乗ってるか乗ってないかで多少モメたりしなければ。
パーティに戻っていくZ1-R。
垣間見える良き息子像。
そして良きお父さん像。
でも、免許取り消しになってまず優先したのは限定解除で、後回しにしたクルマの免許を取り直すのには3年掛かってしまい、家族のヒンシュクを買ったんだ像。

