坂本弘行 & Harley-Davidson 1948FL(20090623) |

Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。

幼少時の『WILD 7』からはじまって、ヒーローもの(仮面ライダー、キカイダー、電人ザボーガーetc)。
イーブル・クニーブルやHOT WHEELSのCHOPPERのトライクのオモチャでよく遊んでたな……。
マンガは『熱風の虎』とか『ドラネコロック』。泉屋おやじが最高なんだよね。
普通に、「16になったら、みんなバイクに乗るだろう」の時代ですね。
思春期は『ハイティーン・ブギ』『湘爆』とか『マッドマックス』『汚れた英雄』から『バリ伝』へ……みたいな。
乗ってたのはkawasaki Z400FX TYPE2。
18過ぎてからは、ROCKERSの写真集とか『バイクメン』、映画は『THE WILD ONE』『LOVELESS』……とかいろいろあるけど、『ボンバー・ライダー』にかなりやられましたね。
ナックルヘッドでウィリーしてましたからね……。
あれ観て「ハーレー買うんだったらナックル!」って思ったけど、高過ぎたな……当時も。
アメリカのTVドラマの『フルハウス』のジェシーおじさんの処女作だと思います。
個人的には、「バイク=不良」の図式はまったくないです、いまだに。
「バイク=カッコイイ」
それがすべてですね。
ただそれだけです。
★ 2 ★
天気のいい日はすべてサイコーですね、乗ってて気持ちいいんで。
★ 3 ★
金沢の取引先に行った帰りに、新潟の取引先に寄り、休憩。
ここまではよかったんだけど、上越ICから高速に乗ってしばらく走ったところでエンストした。
エンジンは掛かる。
でも、ライトを点けるとエンジンが止まる。
オルタネーター(発電機)がやられた……。
バイク屋さん(ランブルエンジニアリング)に電話をしてアドバイスを聞く。
「バッテリーが残ってる分だけ走れる。ただしライトは点けないように!」
東京まであと300kmくらい。
夜の9時くらいだったかなぁ。
そのまま無灯でトラックの後ろをひたすら走る。
トラックがいなくなると、またトラックを見つけて追いつくか、後ろから来たトラックにクラクションを鳴らされて避けて(無灯なのでトラックからは寸前まで見えない)また後ろについて……の繰り返し。
かなり危険な香りに包まれる。
250km走って、あと60kmのところでついにエンジンが止まった。
そこから嵐山ICまで、押して逆走。
途中、パトカーに先導してもらう。
JAFに入ってなかったので、けん引車を適当に呼んで家路に就いた。
6万くらい取られたかな。
★ ★ ★
お酒はぬるめの 燗がいい
肴はあぶった イカでいい
コクピットには八代亜紀が流れていた。
そのへんのサービスエリアで、「舟歌が入ってりゃなんでもいいや」って適当に買ったカセットテープの八代亜紀ベスト。
『歌うヘッドライト』(byいすゞ)にはまだ早い。
北陸の海の幸を満載した一番星は、築地を目指してひた走る。
夜の高速が海みたいで好きだ。
アクセルを踏み込む。
び〜とびとびとびとびと〜。
自慢のビトビトマフラー。ラッセル戻し。ロケット。あんどん(知ってるパーツの単なる羅列)。
ノってきた。
亜紀とデュエット。
目を細めながら口ずさむ。
沖のカモメに 深酒させてヨ
いとしあの娘とヨ……?
ヨーーーーッ!!
突然目の前にバイクが現れたヨーーーーッ!!
そこには、ただでさえ漆黒の闇に溶け込みまくる黒いパンヘッドが無灯で走っていたのだった。
思わず鳴らしたクラクション。
猛烈なエンブレ。
真っ黒い排気ガス。
ビトビトマフラー。ラッセル戻し(以下同)。
かくもデンジャラスな旅を経て、坂本さんは今に至る。
「最悪の出来事? 忘れたなあ」
「そう言わずなんかひとつくらいお願いします」
夜の高速を無灯で走った250km。
たぶん、坂本さんはもっといろいろエライ目に遭っている。
でも、サイコーのほうが多いから、忘れちゃうというか、薄くなっちゃうんだろうなサイアクが。
最後にサイコーが多かったら、それでいいのかも、バイクって。
オイルみたいにサイコーを注ぎ足していけばいいのかも、バイクって。
坂本さんは自身のブランド『galcia』の代表として、バイク雑誌やファッション雑誌に何度も出てる人だけど、「笑って〜、って言われても笑わないからね」とレンズの向こうからぶっとい釘を刺す。
まさにミスターG&G(ごっつい人&ごっついバイク)。
でも、お店の中でバイクの話する時は笑ってくれるので環7フィーバーの際には是非お立ち寄りください。
http://galcia.cc/
