外川 徹 & kawasaki Z750D(20090530) |
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。
兄貴です。
自分がまだ13か14歳だった頃。
兄貴が無免でNSRに乗ってたんで、ちょっと乗らせてもらったんです。
その時感じたスピードとバイクの重さ!
実際は30km/hだったかもしれないけど、自分には100km/hくらいな感じで……。
すごい衝撃でした。
ビビりました。
それが最初のキッカケですね。
★ 2 ★
風を切る音。
マフラーから聴こえる音。
ギヤのチェンジ音。
スピードとか体で感じられること。
それと、人との出会いです。
★ 3 ★
ハーレーのショベルに乗ってた時、恵比寿に洋服見に行った帰り道で、エンジンがまったく掛からなくなったんです。
バイクを買ったお店に電話したら、クルマが全部出払ってるから無理だと……。
もちろん置いて帰るなんて出来っこないので押しました。
明治通りから当時住んでた練馬まで。
休憩しながらだったけど5時間掛かりましたね。
あ……。
普通に走ってたら、いつの間にかエンジンの部品がなくなってたこともあります。
★ ★ ★
このベルトはこの金具に通すの?
なんかねじれてない?
少年Sは、フルフェイスのヘルメットをかぶったり脱いだりするのも初めてだった。
手間取る。
誰かにせっつかれているわけでもないのに焦る。
「アニキ〜、これ……」って言いそうになったけど、アゴヒモを人に締めてもらってる姿、締められる側と締めてあげる側の距離感、アゴを突き出してやや上げた状態の無力感が、なんか、彼女にチョコレートパフェかなんかを「あ〜ん」ってやられてるみたいでカッコ悪い感じがしたから自分でなんとかした。
遮断された世界。
切り取られた視界。
未知への恐怖がメットの中に充満する。
アクセルを回してみた。
パパイーン! パパパパイーン!
いい声だ。
いい声で歌うじゃないかこのバイクは。
僕も歌おう。
聴いてください、『外川家のテーマ』。
俺達 無免許ブラザース 2ストロークな兄弟さ(※)
こっちがクラッチ こっちはブレーキ
宇宙に向かってシフトアップだ 1 2 3!
触ったらヤケドするぜ 熱くなったチャンバー
焼き付きハートはオイル切れ(※繰り返し)
サンキュー、ベイベー。
またどっかで会おうぜ。
初めてのバイクがパキパキのレーサーレプリカだったのに、外川君は旧いバイクが好きなのである。
維持費が大変だったショベルは「いい人に乗ってもらえるように」とお店を選んで手放して、Zに乗り出した。
外川君にとって人間は「一冊の本」だという。
自伝の中にいる男。
小説『自分』の主人公。
月刊自分の編集長。
そして、「Zに乗っていたから」というわけでもなく、無国籍なバイク乗り達と出会ってきた。
「みんなカッコいいんですよね〜。なんでですかね?」
なんでだろう?