死ぬジャン修理 by NEON Leather Garment |
ずっと順調だったけど今週は延期したから静かな編集部で耳かきでもしよう。
耳かきついでにヨタ話もしよう。
25年前。
当時在籍していたバイク雑誌でPLAGUESの岡本君を取材することになった。
撮影はバイク業界じゃないカメラマンがいいなってなんとなく思って、打ち合わせの時、マネージャーさんに最近仕事したカメラマンのリストを用意してもらった。
音楽雑誌でよく見る名前がずらーっと並んでいる中、一番下に「カメラマン兼プロボクサー」というプロフィールがあった。
カメラマンでボクサーなの?
どういうことそれ?
って迷わず選んだのが関根虎洸氏(以下:ガータイ)
岡本君とは山中湖のスタジオで待ち合わせた。
会社のハイエースにはCDチェンジャーとか付いてなかったから編集部にあった無駄にデカいラジカセを持ち込み、予習用にもらったCDを聴きながら山中湖へ。
到着してクルマを降りるとガータイは、ヒップホップの黒人みたいにラジカセを肩に担ぎ、街宣車ばりの大音量でCDを流しながら歩き出した。
何事っ!
ジャブどころではない。
当たろうが当たるまいが知ったこっちゃない大アッパーカットをゴング前からぶんぶん振り回している。
サイコーだなー。
この一発芸で一気にガータイが好きになったので何回か一緒に仕事をした。
ある冬。
1月だったかなあ。
ガータイの持ち込み企画で、旧いDTを手に入れた車谷さん(AIR)のツーリングに同行する的な感じで群馬の沼田まで走ることになった。
明るいうちなら路面凍結とか大ジョブっしょー。
トランポ面倒臭いからスクーターの後ろに乗ったガータイに好きなように撮ってもらおう。
チャッと行ってチャッと帰ろうぜ〜。
つって朝6時、革ジャン革パンのガータイが集合場所に現れた。
自分が運転するがごとくな重装備。
つか!
なんつーカッコいい革ジャン!
初めて見た時から「それは俺の革ジャンだ」と思った、人の物なのに。
朝メシを食べに入ったマックでガータイが革ジャンを脱いだ。
下にはサーマル1枚のみ。
絶対寒いじゃんそれ。
つか現役ボクサーの身体にはキツいでしょそれ。
やっぱ俺んだよそれ。
くれ。
くれくれ。
くれくれくれくれくれ呉(広島)
と4、5年言い続けたところ、引退して少しふっくらして結婚して引っ越したタイミングで「そういやこの革ジャン欲しがってたよね」つって譲ってくれたのだった。
それから俺はその革ジャンを「死ぬジャン=死ぬまで着る革ジャン」と決めて20年近く着倒してきたんだけど、いよいよ襟がガゾガゾになったので名古屋大須、NEON Leather Garment(http://neon-leathergarment.com/)のジュリー君にパシッと修理してもらった。
さらに着倒したら俺が死ぬ前に死ぬジャンが死にそうに傷んできたのでジュリー君にまた助けてもらいました。
ジュリー君のゴイスな技術には感動するしかないマジで。
そのうち表面の革も破れそうだからまたゴイスな技術で直してもらおっと!
彼がライフワークにしていた海外ボクシング旅のフランス遠征時。
ガータイは撮影が終わるとみんなで記念写真を撮るのよね。