臼井 秀之 & CHOPPAHEAD DEVILOCK(2012 1015) |
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時。
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
単車の影響は自分の実のアニキです。
俺が14の頃、アニキは18。
そん時のカレの単車がカワサキの750ターボとZ1100GPで、ときたま俺も借りて2人で走りに行ったりとかしてたもんで、一番の影響で言ったらウチのアニキですね。
映画だと『MADMAX』の影響がかなりデカいですねえ。
小学校の頃に日曜洋画劇場で見た時は衝撃でした。
特にトーカッターとババの2人にやられました。
音楽だと80年代後半から90年代初頭のLAハードロック。
モトリークルーとガンズがダイスキだったんで、そのつながりでチョッパーっていうバイクの存在を知ったくさいです。
そこをキッカケにしてからの、ルーツを探る意味でのローリングストーンズ。
そこからオルタモントの悲劇のドキュメンタリー映画で見たヘルズエンジェルス。
っていう方向でした。
俺が学生時代にドラッグにハマったのと同時期でのエンジェルスフォーエバーとイージーライダーはタイミング的にはドンピシャだった気がします。
俺は14歳から22歳までアメリカのボストンっていう町にいたんですが、当時働いてた店がSIN CITY CYCLESっていうヘルズエンジェルスの親分さんがやってる店で、そこのボス、グレッグ親分にはかなり影響受けてます。
あとはやっぱりジェイソン・ジェシーですな。
アイドルみたいな存在ですね。
インディアンラリーにも物凄い影響受けてます。
昔、アイアンホースで見たカレとカレの単車、『VOODOO CHIL'』、それにエンジェルスのNYCの当時親分だったスティーブ・ボンヂ先生のショベルと走りにもむちゃくちゃ影響受けました。
走りはエンジェル先輩たちの影響がむちゃくちゃでかいです。
日本に戻ってから最初に刺激を受けたのは、渋谷で見掛けたイレズミマミレでショベルのチョッパーを転がしてた、名前はわからんのですが、今『UNFINISHED』っていうブランドをやってるあのヒト。
カレ、ほんとカッコ良かったです。
★ 2 ★
バイクに乗ってて最高だったって時。
それは、いつだろう……。
信号のタイミングが良くって、高円寺から上馬までの環七を1度も止まることなく全開で走り切った時とかサイコー!ですね。
あと、静岡にあるトモダチのハンバーガー屋でサイコーに美味いハンバーガーを食ってから東名用賀までキッチリ走り切った時。
「生きてるって素晴らしい!」って思います、いつも。
★ 3 ★
工具持たないで山の上で自分の単車がトラブった時っすかねえ。
★ ★ ★
臼井君(以下:モトヤン君)を紹介してくれたZAPPER君(http://youwbike.exblog.jp/18159011/)のひとことが気になっていた。
「自分で写真集出したりしてるんですよ」
ぬわに?
モトヤン君はスケボー兼自転車屋さんなんでしょ?
スケボー兼自転車屋さんの店主が写真集を出すとは何ぞや。
なんのとかどんなとかはともかくそれは見たいぞ。
つーこって、モトヤン君の『CPW SKATE SHOP』(http://cpwskate.blogspot.jp/)にお邪魔しゃ~っす!
お店の前のベンチに座って平日の昼間から超ヒマなオッサンみたいな感じで待っているとどこからともなくモトヤン君が現れた。
徒歩にて。
まずはお店を開けないと。
モトヤン君はカギを開け、中からウルトラカラフルかついろんなカタチの自転車を出してきた。
トールバイクっちゅー、間近で見たら「ははははは!」ってなるサドルがタイムショックの回答席くらいなところに付いている自転車も出てきた。
お菓子みたいに並んだね~。
スゲー、キャッチー。
こら~、通りすがったら見るわなあ。
とか思っていると通りの向かいに1台のカブが停まり、メキシコ人中学生風の男の人が降りてきてモトヤン君に声を掛けた。
開店と同時に早速お客さんか。
と思ったらそうではなく、男の人は新聞の勧誘員だった。
モトヤン君はやんわり断ったのだが男の人は立ち去ろうとせず、スケボーや自転車や道ばたに置かれたモトヤン号にホ〜ホ〜言いながら喰いついている。
しまいにゃ勧誘そっちのけでマイストーリーを語り出した。
最近こっちに引っ越したんで手放しちゃったんですけど僕もちょっと前までアメ車に乗ってまして。
新聞屋で働き出したばっかでして。
実は実家が気仙沼でして。
俺は「この人、まさに油を売ってる感じだなあ」とか、「この人、髪型も含めて中学時代の同級生の柿本君、通称・カギモに似てるなあ」とか、モトヤン君の笑い方ってスギちゃんに似てるなあとか思いながら適当に相づちを打っていたのだが、やがて男の人は油を売り尽くして去っていった。
じゃー、ちょいと見せていただきましょうか写真集を!
つって中に入り、本棚からモトヤン君が取り出した1冊を手に取ってオデレータ。
んお〜っ!
ムチャクチャちゃんとしてるじゃないか。
もう1冊あんの?
またオデレータ。
『NO FUTURE TOKYO』
アメリカで印刷して限定販売してすぐに完売しちゃったというこの作品。
綴じ方、紙質、サイズ感、ボリューム、説得力ある持った時の重さ……そしてなんつっても写真だ。
バイク、スケボー、自転車、ロケンロー、男、女、街、血、汗。
聞こえてきたり、ニオってきたり、1枚1枚が物凄いイキオイで迫ってくる。
作るの大変だったろうけど楽しかっただろうな〜。
また「んお〜っ!」ってなりに見に来よう。
写真集の興奮が冷めやらぬまま、写真を撮ろうと表に出ると、ちょうど斜め向かいの小学校の下校時間。
お店の前をちびっ子達が通り過ぎていく。
そんな中、モトヤン君が外に出てきた時、緑色のトレーナーを着た1人の少年が泣きながら通りかかった。
「どうしたっ!?」
モトヤン君は少年を見つけるとすぐに声を掛けた。
二言三言、言葉を交わしたモトヤン君は少年を「話つけに行こうぜ」と勇気づけ、少年の肩を抱えて一緒に歩いていってしまった。
数分後、モトヤン君と戻ってきた少年の顔からは涙が消えていた。
ビバ! モトヤン!
少年はいつかバイクかスケボーかトールバイクに乗るだろう。
写真を撮り始めると近所のオジさんが通り掛ってモトヤン君に声を掛ける。
さっきの新聞の勧誘員さんと同じエリアを縄張りにしているっぽいヤクルトおばさんからも「あら、カッコいいわねえ」と声が掛かる。
黒いハーレーに乗ったお客さんもやって来た。
なーんか、いろんな人を呼ぶんだなあ、モトヤン君って。
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モトヤン君の写真はコチラでも見られます。
『- NO FUTURE TOKYO -』(http://nfkffnfk.blogspot.jp/)
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