橋本 イクミ & Piaggio Vespa Sprint150 (2016.08.09) |
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノは?
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時
Q3:史上最悪の出来事は?
★ 1 ★
BLANKEY JET CITY
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
STRAY CATS
MAD3
ギターウルフ
KING BROTHERS
THE WHO
マックショウ
さらば青春の光
FLCL
バリバリ伝説
MADMAX
狂い咲きサンダーロード
片岡義男の小説
バイク雑誌
写真集ROCKERS!
写真集MODS!
仮面ライダー(初代・W)
人造人間キカイダー
LAMBRETTA SX150の先輩
kawasaki W1の先輩
SR400カフェレーサーの先輩
GB250 CLUBMANの友達
Triumphの先輩
VESPAの元彼女
59CLUB
モッズメーデー
ロッカーズミーティング
カフェレーサー
モッズスクーター
中学生くらいの時までは漠然と「ROCKなバイク=アメリカン」ってイメージしかなかった。
でもブランキーの浅井さんがカスタムしたXS250(通称サリンジャー号)に乗ってたり、MAD3のEDDIEさんがBSA ThunderboltとDouglas Vespaに乗っているのを知って、世の中にはアメリカンスタイルじゃなくてもカッコ良くてROCKな乗り物があるのかと思った。
それが最初の入り口となってROCKERSやMODSの文化を知るようになり「こんなファンタジーでCOOLなカルチャーが現実にあったんだ」とスゴくドキドキした。
高校1年の時に原付の免許を取り、とあるアニメの影響もあってVESPAに乗ろうと思ったんだけど、中古の50sでも高校生にはスゴく高くてとても買えなかったから真っ赤なジョルカブを買った。
結局1ヶ月もしないうちに事故って友達の友達に高値で売っぱらった。
大学生の時、先輩の「バンドやってて革ジャン着てるのに単車くらい乗ってなきゃ格好つかないだろ!」という言葉にハッとして、すぐに中免を取ってSRを買った。
★ 2 ★
昔のバンドやってる時、野外ライブにバイクで行ったこと。
ライブ会場までは片道150kmくらい。
夜明け前に家を出発して、会場着いて友達のライブ見て、自分のバンドのライブ演って、打ち上げして、もうヘトヘトになってる状態でしかも豪雨の中150km帰らなきゃいけなくて、道中トラブルがあったり道に迷ったりしてスゴく疲れて眠くて辛かったんだけど、最高に楽しかった。
結局家まではたどり着けず、急遽途中の友達の家に泊めてもらって、そこでもまた打ち上げをした。
24時間一瞬の隙もなく最高の1日だった。
★ 3 ★
深夜、雪が降る極寒の中、SRのフロントのドラムブレーキが凍りついたこと。
信号待ちでフロントブレーキを掛けるとフロントがロック。押してもフロントフォークが沈むだけでまったく身動きが取れなくなってしまった。
何が起こったのか分からず、そのまま単車を置いて家に帰った。
翌日、工具を用意して単車のところに戻ってみると、まるで何事もなかったかのようにバッチリだった。
★ ★ ★
千葉某所の湾岸エリア。
道ばたにはデカいトラックがたくさん停まっている。
運転席のガラス全面をカーテンで覆い、キンキンにクーラーを効かせた金華山張りの車内で一番星は長旅の疲れを取っているのだろう。
そんな働くクルマ達が並ぶエリアの先のコンビニの駐車場で橋本君と待ち合わせをした。
橋本君から「ちょっと遅れそうです」と連絡がきたけど先に行って待ってよう。
と、コンビニに到着したら駐車場がなかった。
ないか。
この一帯、トラック停まりまくりで割と大ざっぱな雰囲気が漂ってるからロイヒーな駐車場がありそうなもんだけど、ないか。
日陰らしい日陰もない。
日陰難民となった俺はコンビニを後にし、少し離れた街路樹の木陰に避難した。
いやー、不思議なもんですねえ。ノドが渇いている。身体が水を欲している。って状況なのにオシッコがしたくなってきた。
水分を補給したがっている俺とオシッコしたがってる俺がせめぎあっている。そこんとこ、上手いことプラマイゼロ的にならないのか。人体の神秘に翻弄されているところに橋本君が到着した。
橋本君はコンビニに寄り、ガチガチに凍ったアクエリアスを買ってきてくれた。
凍ったアクエリアスって日曜日の午前中のニオイがするよねえ。
海を見に行こう。
うん。
付き合い出して2週間の2人。
初めてのデート。
レンタカーでのドライブ。
第三京浜に乗る前に寄ったコンビニでなんにする〜? あたしコレ〜。かなんか言いながら2人が買ったのは凍ったアクエリアスだった。
小さな旅は順調に始まった。
何食べる〜? シラス丼〜。江ノ島水族館行く〜? 行く〜。昔は不人気な水槽にホヤがいたよね。かなんか言いながら横浜新道を下り、1号線に入るとクルマの流れが滞り出した。
見えている信号が青から赤に。青に。赤に。青。赤。
って全然進まないじゃん!
オバちゃんより遅いじゃん!
日傘をさして歩道を歩くオバちゃんを見ながら、彼女は少しイラッとして言った。
この道は確実に海につながっている。
でもこの渋滞も確実に海まで続くのだろうか。
2人の口数は減り、彼女はクーラーを乱暴にイジって最強に設定すると顔にタオルをかけて寝てしまった。
この先の先が藤沢橋か。
彼氏は無言の車内でアクエリアスを手に取って飲もうとしたけどクルマの中が涼しすぎてちっとも溶けてない。
ちっ。
砂漠かよ。
砂漠で遭難して1人きりになった探検隊の水筒かよ。
ふと横を見ると、タオルを顔にかけた彼女のノースリーブのシャツから無防備な二の腕が見えている。
ぷにぷにしやがって。
と思った瞬間、彼氏は無意識のうちにアクエリアスを彼女の二の腕に押し付けていた。
きゃん!
ははははは! 起きた〜?
んも〜!(と言いながら彼氏をぺしぺし叩く)
バカ! 危ないだろ!
仕返しだ〜!(と言いながら自分のアクエリアスを彼氏の足に何度も押し付ける)
冷たっ! やめろって!
や〜だよ〜!(と言いながら何度も攻撃しているうち、手元が狂って股間を直撃)
痛っっっっっ!
ごめん。大丈夫?
あ……あ……腫れてきたかも。
冷やしてあげようか?
う……うん(と、うなずきながら股間を差し出す)
何スケベなこと考えてんだよ! この童貞野郎!(と、言いながら股間を連打)
みたいなね。
木陰で橋本君とくっちゃべりながら、太陽がビッシビシに当たってるところに出しといたんだけど、超強力な冷凍庫で固められたのかアクエリアスはなかなか溶けてこないのがもどかしい。
撮影込みでもろもろ小1時間が経った頃も依然としてデカい氷の塊が残ってたんだけど、飲み口から見ると超攻撃的なフォルム……『ブラックレイン』でM・ダグラスと松田優作が戦って最後、優勢になったM・ダグラスが憎さ余って「串刺しにしてやろうか!」って優作を押し付けようとした木の杭みたいなカタチでカッコ良かった。
オシッコは少し蒸発したのか撮影中は平気でした。
★ ★ ★
というわけで橋本君は『東京ゴッドファーザーズ』(http://electricrudiesgeneration.com/)のウッドベース担当です。
★ ★ ★