君はバイクに乗るだろう VOL.127 |
会社が入ってるビルの下には2台の自動販売機が設置されている。
1台は伊藤園、もう1台はキリンビバレッジ。
コーヒーを飲まずに家を出た朝とか、夜とは違ってアルコール関係ない眠気に全身が覆われるまどろみの午後3時くらいとか、俺はキリンの販売機で「午後の紅茶 芳醇ロイヤルミルクティー」を買う。
微糖だ無糖だ朝用だプレミアムだと5、6種類あるコーヒーに対してロイヤルミルクティーは1種類しかない。
生命を維持する上ではある程度甘い物も食べたほうがいいだろう。
だからロイヤルミルクティーには俺の甘い部門を担当してもらっている。
あれたぶん微糖じゃないよね。
甘いもん。
甘ったりぃもん。
その甘ったるさが俺は好きなんだけど、世間的には大して人気ないと思う。
ところがこの冬、それまで1枠しかなかったロイヤルミルクティーが、ある時期から2枠に拡大した。
しかも自動販売機内に並んだライバル飲料をさしおいて、その2枠だけ売り切れランプが点灯していることが多々なのだ。
そんなことを考えもせずエレベーターに乗って1階に下りて外に出て自動販売機の前まで行ってから「売り切れだよ〜。もうないよ〜」と知らされるのは結構ショックなもんである。
売り切れが2日くらい続いた時には販売機に連絡先が書いてあるキリンビバレッジ東京・羽田支店に補充のリクエストを出そうかどうしようか迷ったけど、そんなんで羽田から来てもらうのも悪いからやめた。
っつーのも昨年末。
俺は当時まだ1枠だったロイヤルミルクティーを買おうと10円玉を12枚用意し、矢継ぎ早に投入したんだけど全然ランプが点かない。
マシンがコイン連投の速さについてこれなくて、何枚か出てきちゃうことってあるじゃん。
ああ、やっぱり。
つって再投入したらなんか変。
コインがたどり着くべきところに落ちていってない感じ。
返却レバーをガチャガチャやっても無反応。
このままでは60円の損失だ。
キリンビバレッジ東京・羽田支店に電話して2人組のオニイさんに来てもらったところ、原因は投入口に詰め込まれた紙だった。
投入口のサイズに合わせて小さく折り畳まれた紙を見せながら、オニイさんは「半年くらいなかったけど、最近またあるんですよ、こういうイタズラが……」と困った顔で言った。
ひどいっすねえ。
ヒマな野郎がいるもんだねえ。
その度にオニイさん達は現場に呼び出されているのか。
仕事とはいえクッソ迷惑な話だよなあ。
と、そういう一件があったので、その後まったく同じ症状で20円の損失が出た時は20円のために来てもらうのが申し訳なくて呼べなかった。
60円のためならいいのか。
いいんだ。
それはともかく、その自販機がちょっと前に夏仕様になり、ロイヤルミルクティーは1枠に戻っちゃったんだけど、このへんはキリンビバレッジ東京・羽田支店の判断なのだろうか。
レディース & ジェントルメン & ザス!
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今は小銭を使わずPASMOで買ってます。(総合司会・坂下 浩康)
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