藤井 康 & TRIUMPH TROPHY BIRD |
Q1:バイクに乗ろうと思ったキッカケっていうか、影響受けたモノを全部おせーて。
Q2:「バイクってサイコー!」って思った時のこと、おせーて。
Q3:史上最悪の出来事をおせーて。
免許を取ったのは16歳の時でした。
当時は「ロック=バイク」って思ってましたね。
バイトしてお金貯めて、買ったバイクはホンダの250クラブマンです。
周りの友達はみんな国産アメリカンだったけど、自分だけクラブマンをセパハンにして乗っていました。
今思えばすごい恥ずかしいのですが、友達数人でバイクチームを作って、安い革ジャン着てツーリングしてましたね。
★ 2 ★
自分のトライアンフは江戸川区にあるTride motorcyclesで買ったんですけど、お店に集まるヴィンテージトライアンフ乗りの人達30台くらいで山中湖にツーリングに行った時は最高でした!
前後左右、どこを見ても大好きなトライアンフだらけでしたから!
いろんな仲間と出会えるのも最高ですね。
みんな職種も考え方も違うのですが、バイクを通して学ぶことがあり過ぎます。
★ 3 ★
バイクにまたがると気持ちが最高潮なので、不安も最悪もありません!
★ ★ ★
藤井君がトライアンフを知ったのは、かなり前のこと。
「確か、スティーブ・マックィーンの映画だったと思います」
それは『大脱走』だと思われるのだが、藤井君にとっては映画のタイトルもマックィーンもどうでもいいのである。
映画の中で疾走するトライアンフがすべてだった。
それは、「観た瞬間、あまりにカッコ良過ぎてアゴが外れた」というくらいだから、あがーーっ! と、まさに「アングリ」って感じで口が全開、ヨダレダラダラな衝撃の出会いだったのだ。
「トライアンフに乗りたい!」
当時(1960年代でしょうか)最速を誇っていたトライアンフに。
それ以外の選択肢はなかった。
藤井君のトロフィーバードは1959年製。
僕は初めてこのバイクを見た。
そんな僕が藤井号をパッと見て、「おー、トロフィーじゃん、しっぶいねえ」なんて言えるわけもなく、チャーミングだね、キュートだね、でも鉄鉄してるね、って感じだったのだが、こういったヴィンテージバイクはどのくらいするものなのかと興味本位で聞いてみたら、僕のバイクが5台は買える額だったのでおったまげた。
でも藤井君にとっては、誰のバイクが何台買えようがどうでもいいのである。
「本気で欲しかったんです!」
だから死ぬ気で働いた。
人間の死ぬ気を引き出す鉄の塊VS鉄のような死ぬ気。
鉄と鉄がせめぎ合う。
火花が散る。
絶望という名の地下鉄が走り出す時に金属がこすれ合うような音が聞こえる。
死ぬ気を超えたら笑っていた。
藤井君はラーメン屋さんだ。
お店はカウンター10数席だけのシンプルな作り。
そのおかげで、厨房で動き回る藤井君がよく見える。
完全なソロ活動。
お客の食券を預かり、麺を茹でて具を盛り、運ぶ。
その雄弁な切り盛りぶりを見ていると、「あー、藤井君が死ぬ気で働いたら何でも買えちゃうだろうな」って気がした。
「そのうち死ぬ気で。ええ近々に」とか、「ま〜だ死ぬ気じゃなくっても」なんて死ぬ気をもったいぶってるうちに死んじゃうかもしれない。
だから僕も、生きてるうちに死ぬ気になろう。
写真は5月24日、藤井君ちのすぐ近くの公園で撮らせてもらいました。
「藤井君のトライアンフ、フロントフェンダーないから雨の日はダメっすよ」
って藤井君を紹介してくれたアユム君の思いが天に通じたのか、撮影を予定した日曜日はものの見事に雨だった。
そして1週間後、5月31日も雨だった。
でも降ったり止んだりレベルだったので、いったれ! と半ば強引に藤井君を公園に呼び出したら雨が上がったのである。
もちろんこれは、日頃の行いがいいからだ、藤井君の。
そんな藤井君が作るラーメンは、麺大盛り、油多めで味濃いめ、ニンニク1個丸ごと擦り下しで「THE 野郎のラーメン」って感じです。レッツご賞味。
The Outsiders:東京都品川区大崎1-20-16 1F
営業時間11〜15、17〜21時(麺が無くなり次第終了)
定休日……土・日・祝
藤井君がお世話になっているTride motorcyclesのHPもリンクしときヤ〜ス。
http://www.tride-mc.com/